商業施設家主に厳しい法案どうなる?
新型コロナウィルス感染拡大による経済的打撃を受けて、家賃の支払いが困難になっているのは個人だけではない。
2月2日ハワイ州上院議会では、コロナで打撃を受けたビジネスの救済策として、家賃の支払いができないことを理由に商業施設の家主がビジネス経営者である借主を退去させることを禁止する法案を通過させたとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
この法案563では、新型コロナウィルス感染対策としての緊急命令が解除されたのち12カ月間、商業施設の家主は借主から未払い家賃の取立てを行なうことも禁止している。
また、契約内容の変更に関する交渉がうまくいかなかった場合には、借主はペナルティーを支払うことなく賃貸契約の解除を申し出ることができるようになる。
家主側がなんらかの違反をした場合には、借主側は実際の被害に対しての訴訟を起こすことができ、違反1件につき2,000ドルと弁護士費用を請求することができることになる。
新型コロナの感染前と比べると、ハワイ州では3分の1のビジネスが閉鎖している。
特にレストラン業界は深刻で、もし観光が大きく改善しなかった場合には4月までに半分以上のレストランが廃業するだろうと言われている。
今回の法案は厳しい経営状態にある小規模ビジネス経営者達に歓迎されている一方で、商業施設の家主たちからは、家主に対してさらなる経済的負担を強いるものだと強い反対の声が上がっている。
カイムキで商業施設の賃貸を行っているマーク・ハガドネ氏は、「賃貸収入がなくなっても銀行ローンの支払いや、修繕費、固定資産税の支払いをしなければならない。我々も含めてハワイの状況はみんな同様に厳しいのに、なぜ家主だけに負担を求めるのか」と家主側に非常に不利な今回の法案に反対している。
商業不動産開発協会やハワイ銀行協会もまた今回の法案に反対の立場を表明している。
(日刊サン 2021.2.9)
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