バケーションレンタルをはじめとする住居の短期レンタルについて、管理する権限を郡に与え、さらには段階的に廃止することを求める法案が州議会で審議されている。それとともに、短期賃貸の規制を強化したり、長期賃貸住宅への転換を奨励する法案も審議中であるとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
一過性のバケーションレンタルに関する決定を郡に委ねることが盛り込まれた上院法案2919は、2日(金)の合同公聴会で修正され、上院商業消費者保護委員会、エネルギー経済開発観光委員会、公共安全政府間軍事委員会の3つの委員会で承認された。現在、上院司法委員会と上院議会運営委員会の公聴会を待っている。
「アメリカン・ホテル・アンド・ロッジング・アソシエーション・ハワイ」の広報担当を務めるケコア・マクレラン氏は、院法案2919について、「土地使用法、特に住宅使用に関して必要な変更を行う郡の権限を支持するという、州レベルのニーズを反映したものだ」とし、この法案は、住宅用地の短期レンタルは住宅使用ではないことを明確にするものだと説明した。
マクレラン氏は、ハワイにおける短期レンタル住宅は過去12カ月で8万9000軒以上リストアップされており、ハワイの全ホテルの2倍以上に相当すると指摘。短期レンタルを規制する唯一の方法は法律制定であり、それによって経済的余裕、住宅不安、ホームレス問題に対処し、再生可能な観光を促進することだと付け加えた。
一方、「Airbnb」のような大手ホスティングプラットフォーム、ハワイ不動産業者のような業界団体などは、この法案への反対を表明しており、合法的なバケーションレンタルは多額の税収を生み出し、地元の人々に収入と雇用を提供し、近隣のビジネス、とくに小規模なビジネスをサポートすると主張している。
グリーン知事は州議会演説の中で、ハワイの短期レンタル住宅の52%は州民以外が所有しており、所有者の27%が20戸以上を所有していると述べている。しかし、それでも地元の人々は短期レンタルを運営しており、自宅の数部屋を短期レンタルにすることで生活の一助にしている家庭も多い。この法案への反対証言を提出したハワイ島在住のクリスティン・フェーガーバック氏は、「このような新しい政策が施行されれば、旅行者は私たちのような小さなホストを利用せず、ハワイ以外の資本の大規模なホテルビジネスがより多くのお金を得るのを助けることになる」と語った。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2024.2.5)