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【世界のこぼれ話】人間に恋をしたマナヅル、永眠 ワシントンDC

現代の偉大な異種間ラブストーリーのひとつが幕を閉じた。インターネット上の人気者でもあったマナヅルの「ウォルナット」が、8羽の子どもと、彼女が伴侶と見なしていた動物園飼育員クリス・クロウ氏を残して、42歳でこの世を去ったとAP通信が伝えている。

ウォルナットは、スミソニアン国立動物園と保全生物学研究所の愛情深いスタッフによって飼育されていた。

不法にアメリカに持ち込まれ、後に国際ツル基金によって保護された2羽の野生のツルのヒナのうちの1羽だったウォルナットは、人の手で育てられ、世話をしてくれる人たちと絆を深めた。その後の2004年に保全生物学研究所に移ったが、繁殖にはまったく興味を示さず、オスのツルの求婚者を攻撃することさえあった。

マナヅルは、国際自然保護連合によって絶滅危惧種に指定されている。そのため、ウォルナットを繁殖させることが最優先課題とされた。動物園の声明によれば、クロウ氏は繁殖期に研究所のオスのマナヅルの行動を「観察し、真似る」ことでウォルナットを射止めたという。

動画には、クロウ氏がウォルナットの餌や巣作りの材料となる草や葉を差し出す様子が映っている。クロウ氏がクルミの前で腕をパタパタさせると、ウォルナットはそれに応えて興奮気味にパタパタし、頭を揺らしながら半円を描いて踊る。クロウが彼女の信頼を得ると、オスのツルの精子を使って人工授精させることができた。

このユニークな方法は大成功し、ウォルナットは8羽のヒナを出産した。また、この関係は健康にもプラスになっているようで、人間に飼育されているマナヅルの平均寿命である15歳の3倍近くも長生きした。

クロウ氏は、声明にて、「ウォルナットは快活な性格のユニークな個体だった。私は彼女と私の絆にいつも感謝している」と述べている。

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画像:youtube.com / Smithsonian’s National Zoo

 

(日刊サン 2024.2.2)

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