国防総省は、レッドヒル燃料貯蔵タンクの中に貯蔵されている燃料を抜くようにというハワイ州の緊急命令に対して、上訴する方針であるとホノルル ・スター・アドバタイザーが伝えている。
1月31日(月曜日)、国防副長官であるキャサリン・ヒックス氏が「国防総省では、ロイド・オースティン国防長官がレッドヒルの長期的な将来についての決定ができるよう、今後60日間で太平洋戦争時代の燃料貯蔵について分析を進める予定です。これは燃料タンクの永久に空にするという選択肢も含んでいます」と書面で発表した。
ハワイ州が求めている計画書の期限が2月2日に迫るなかで、国防総省は連邦裁判所とハワイ州裁判所に上訴する計画であることについて次のように述べている。
「この上訴により、国防総省は証拠に基づいた透明性のある決定を下す時間が与えられることになります。これらの法的な過程を求める行動にかかわらず、我々はハワイ州と、双方がこの解決に必要な時間と場所について共に納得できるような方法で協力して行きたいと考えています」
ハワイ州衛生局は12月6日に海軍に対して緊急命令を発令している。
命令では、海軍に対して18の地下貯蔵施設を含むレッドヒル貯蔵施設の運転を停止し、レッドヒル周辺の汚染を清浄化し、施設の安全性を検証し、レッドヒル貯蔵タンクの燃料を抜くように求め、その後燃料貯蔵の運営を再開するための許可をハワイ州に求めるように伝えている。
また、命令には燃料タンクを空にするための期間について期限は設けられていないが、2月2日までにハワイ州衛生局に計画書を提出するように求めている。
巨大なタンクから安全に燃料を取り除くためのシステムの修復などの詳細な内容が盛り込まれなければならない。
提出された計画がその後衛生局の承認を受けてから、必要な修復を行った後30日以内に燃料を取り除くことを求めている。
これに対し、海軍は汚染の清浄化に取り組んでいるものの、タンクの中を空にすることについては異議を唱えていた。
ハワイ州衛生局環境衛生担当のキャサリン・ホー副局長は、今回の上訴の方針の発表に対して残念だという見解を示している。
「海軍は議会と複数の公聴会において、ハワイ州の緊急命令に従うという見解を表明していました。緊急命令に対して上訴するという今日の発表は、海軍とハワイ州住民の間の信頼を裏切るものです」
ハワイ州選出のエド・ケース下院議員はヒック副長官の発表を受けて、ハワイ州の緊急命令が効力を持つようにできる限りのことを行うと述べている。
ブラインアン・シャッツ上院議員も、国防総省による州の命令に上訴するという決定は国民の信頼を損なう重大な誤りだと述べている。
一方、汚染の清浄化作業については海軍は順調に作業を進めており、水道システムの清浄化と検査、およびおよそ80%の家庭の正常化が完了しているという。
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写真:
(日刊サン 2022.2.1)