ハワイ州ビジネス経済開発及び観光局(DBEDT)は30日(月)、昨年の観光業界の実態についてのデータを公表したが、それによると2022年にハワイを訪れた旅行客数はおよそ925万人で、パンデミック前の2019年と比較すると11%減少したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
主な原因は、海外マーケットが戻らなかったこと、特に主要なマーケットである日本からの旅行者の減少だという。
その一方で、アメリカ本土からの旅行者数は776万人と、パンデミック前との比較で12.9%増加している。
昨年春にハワイを訪れた日本の旅行代理店協会の代表団は、日本からハワイへの旅行者の回復は2022年のゴールデンウィークから始まり、同年末にはパンデミック前の40%まで戻るだろうと予測していた。
しかし、実際には、2022年の日本人旅行者数は19万9,760人に留まり、パンデミック前から87.3%の減少となった。
日本は昨年10月に新型コロナ対策の旅行規制を緩和したが、急激な円安の進行、燃料費の高騰、日本国内の旅行支援などにより、ハワイへの旅行者数が増えなかったと見られている。
日本以外の海外からの旅行者も減少しており、カナダからは39万9,869人で26%減となっている。
クルーズ船での寄港客も33.5%の減少だ。
ハワイ観光局日本担当のエリック・タカハタ氏は、日本からの旅行者数が伸び悩んでいるのは、海外旅行に対してまだ非常に慎重になっているからだとしている。
当局は、ジョッシュ・グリーン知事とともに、日本マーケットに向けて、ハワイは安全な場所であるというイメージ戦略を展開する予定だという。
昨年12月に行われたホノルル・マラソンの日本からの参加者はわずかに増加しており、今後予定されているホノルル・フェスティバル(3月)とゴールデンウィークでのさらなる増加が期待されている。
また、岸田首相が新型コロナの分類見直しを発表しており、春にはインフルエンザと同様の5類への引き下げが行われる予定となっているため、マスク着用の緩和が見込まれ、明るい兆しとなっている。
タカハタ氏は、今年末までには、日本からの旅行者数はパンデミック前の50%程度まで回復することを期待しているという。
同氏はまた、「アメリカ経済が不況に向かっているという予測もあり、これまで海外からの旅行者の減少を補ってきたアメリカ本土からの旅行者が期待できなくなる。それまでに海外からのマーケットが回復することが望まれる」と述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.1.31)