ダイアモンドヘッドなど、観光客に人気のある州立公園ですでに入園料の徴収が実施されているが、現在開かれている今期の州議会では、ハワイの環境保護のためにそれをさらに拡大しようとする動きが広がっているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
基本的な考えとしては、海岸線の侵食、海面上昇、サンゴ礁やハワイ固有種の保護などに対応するために観光客から「エコ料金(Green Fee)」を徴収しようというものだ。
公園やトレイル、ビーチなどの利用者に対する課金の構想は、パンデミック収束後に急増した観光客数をコントロールする目的で、その収益を修繕や補修に充てようという意見が、2022年の選挙運動の際に数人の議員候補者によって大きく広まったという歴史がある。
上下両院議員らの多くは、観光客に対してハワイの自然資源を使うための年間使用料を許可証という形で購入させるべく、それぞれに法案を提出している。
先週の所信演説でジョッシュ・グリーン知事は、ハワイの繊細なエコシステムに観光客が与える打撃を軽減するためには、どんなアイデアにも耳を傾けると述べている。
「観光客から徴収する金は、ハワイの人々と生活様式を保護する目的で利用される。また、気候変動による影響についても真剣に取り組む必要がある。観光客が与える打撃からハワイの環境を守るためのいかなる計画にも賛同する」
2018年にカウアイ島北部で壊滅的な土砂崩れが起こった際、ハエナ州立公園の再建のために州は、駐車台数を制限して入園料の徴収を始めた。
ホノルル市は、ハナウマ・ベイで観光客に入場料を課金し、環境保護のビデオを見せて環境に対する注意喚起を行っている。
今期の州議会で提出されている法案はいくつかあり、それぞれに内容が異なるという。
下院法案1162では、罰則規定や管理委員会の設立が挙げられており、15歳以上を対象とし、50ドルで1年間有効のライセンスを取得するとしている。
下院法案1051と上院法案1349でも同様だが、徴収金を助成金として分ける環境委員会を設立するとしている。
上院法案658は、環境問題特別基金を設立して、料金や罰金、寄付などを集中管理し、環境委員会が助成金の配分を管理するというものだ。
それ以外にも、上院法案304、636、下院法案442、1237などがあるが、いずれも15歳以上を対象とし、年間50ドルの徴収を検討している。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.1.30)