【ハワイニュース】ハワイ州のガソリン平均価格、1ガロン4.38ドルに2014年以来の最高値、背景にウクライナ情勢
原油価格の高騰に比例し、世界的にガソリン価格が上昇している。その背景には、ウクライナ情勢がある。世界有数の石油生産国であるロシアは、現在、ウクライナ国境付近に軍隊を配置し、両国間の緊張はここ数ヶ月の間で急激に高まっている。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントCEOのマーク・ヘーフェル(Mark Haefele)氏は、「市場の需給バランスが厳しい時期に、石油と天然ガスの供給に混乱が生じると、価格が短期的に大幅に上昇し、世界の経済活動が混乱する可能性がある」と述べた。
また、JPモルガンの経済学者は「ロシア・ウクライナ間の緊張が原油の供給危機に影響を及ぼした場合、ブレント原油(※)の価格は第1四半期中に1バレル(159.4リットル)150ドルまで上昇する可能性がある」と予測している。
また、新型コロナによるパンデミックが徐々に収束に向かっており、再び交通量が増えたことから、消費者需要の増加もガソリン価格の高騰に拍車をかけている。
現在、ハワイ州におけるガソリンの平均価格は、1ガロン(約3.8リットル)あたり4.38ドル(約504円)で、先週から4セント上昇している。全米平均価格の3.35ドルよりも1.03ドル高い。オアフ島のガソリンの平均価格は4.28ドル(493円)で、昨年同時期と比較して1.09ドル上昇している。
オアフ島以外の島では、さらに価格が上昇している。ラナイ島では現在、1ガロンあたり6.39ドル(737円)で、マウイ島とモロカイ島では5ドルを超えている。
ハワイニュースナウの報道によると、ロードサービス会社のAAA(トリプルA)ハワイは、最新の調査の中で、「現在のガソリン価格は、2014年10月以来の最高値をマークしている」と報告した。
AAAゼネラルマネジャーのライアン・スミダ(Liane Sumida)氏は、「ハワイ州のガソリン価格は、ガソリンの平均価格が米国内で最も高額なカリフォルニア州に匹敵する」と述べた。
ガソリンの消費量を抑える方法として、運転のスピードを遅くする、タイヤの空気を常に適切に入れておく、車の積載量を減らすことなどがある。
(※)原油価格市場で、主要な位置を占める原油のひとつ。主にイギリス北海のブレント油田から採鉱される、硫黄分が少ない軽質油を指す。英語では”Brent Crude”という。
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写真:
(日刊サン 2022.1.28)