ハワイ州観光局も大幅予算減
観光業が州の最重要産業であるハワイ州では、旅行者をハワイに呼び込むために州の外郭団体であるハワイ州観光局が中心となってハワイの魅力を発信している。
しかし税収入が大幅に減ったために州財政が非常に逼迫している状況である現在、ハワイ州観光局もまた財政的な困難に直面しているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
1998年に観光業をサポートするための州団体として設立されたハワイ州観光局の主な資金源はハワイ州が振り分けている税金(旅行者が支払う宿泊税の一部)だが、新型コロナで逼迫した財政対策としてデービッド・イゲ知事はその支払いを停止している。
2019年には観光局は7,900万ドルを宿泊税から受け取っているが、2020年には第一四半期のみ予算を受け取ったもののそれ以降はなく、予算自体も8,600万ドルから4,100万ドルに減額されてしまった。
現時点では過去の繰越資産と予算削減によって生き延びているが、それもいずれは底をつくことになる。
イゲ知事が何らかの資金提供を決断しなければ、このままでは2021年会計年度の予算は1,000万ドルとなってしまうという。
「1,000万ドルという大幅な予算削減では、観光局にできることは非常に限られてしまう」と観光局の代表であるジョン・デ・フライズ氏は述べており、イゲ知事にも予算復活の陳情を行っているという。
州上院議会で経済開発・観光委員会も「コロナワクチンの接種が進み、観光業が復活しようとしている中で、ハワイ州観光局の果たす役割は大きい。観光局の予算をもとに戻し、ハワイに観光を取り戻すことが大切だ」とイゲ知事に伝えているが、イゲ知事は、現時点で州財政の状況が回復したら観光局への支払いも再開されるだろうと述べている。
(日刊サン 2021.1.28)
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