ハワイ・ニュース・ナウの調査によると、交通違反の罰則金を支払わないまま放置しているケースが非常に多いことが判明したという。
数年間も払われていないものもあり、罰金未払いの違反者は運転を継続しているという。
それらの中には、事故を起こしている者もいる。
その1人、ブレネン・カヌメイ容疑者は、昨年8月にノースショアで起こった悲惨な交通事故の加害者とされている。
カヌメイ容疑者の運転していた車が、バージニアからハワイ観光で訪れていたロン・ハートマンさんと妻のミシェルさんの乗った車に正面から衝突し、ハートマン夫妻は死亡した。
カヌメイ容疑者の無謀運転が原因だとされ、過失致死罪で起訴されているが、同容疑者は事故以前に免許を取り消されていた。
裁判記録によると、ハートマン夫妻の死亡事故以前、カヌメイ容疑者は数年にわたって違反を繰り返しており、2014年から20回以上警察に停止させられているという。
数回の違反については合わせて840ドルの罰金を支払っているが、その後は違反切符を切られても罰金を滞納し、未払い金は合計3,376ドルとなって州の徴収機関によって訴えられ、裁判所に出頭している。
こういった状況について、パトリック・マクファーソン弁護士は次のように説明している。
「問題を起こす運転者は何度も違反を繰り返すが、それに対する処罰がないのが現状だ。こういった運転者は、免許が取り消されようが、自分の信用調査の点数(クレジットスコア)が悪くなろうが、気にしない。罰金を払わなくても具体的な罰則がないわけで、同様に振る舞う人間は大勢いる」
2011年にハワイ州法的徴収機関(裁判所から支払いを命じられている債務者に対し徴収業務を行う機関)は1,500万ドル(約19億4千万円)以上の債務徴収を担当し、そのうち回収されたのは800万ドルで、700万ドルが未徴収となっている。
2017年には2,200万ドルの債務に対して900万ドル以上が徴収され、約1,300万ドルが未払いとなっている。
2011年から2022年までの11年間で、未納金額は8,170万ドル(約105億8700万円)となっている。
州議会の運輸、司法両委員会の委員長を務めるクリス・リー上院議員は、この件についての状況改善策を検討していくと述べた。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.1.20)