ワイキキのギャラリア・タワー所有者であるブラックサンド・キャピタルとワイキキ・ギャラリア・タワーが、家賃の支払いと賃貸契約終了時の修復を行わなかったことによる損害請求を求めてDFSを提訴したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
1月14日に第1地方裁判所に提出された訴状によると、ギャラリア・タワーの1階と2階をDFSビルと連結させてカラカウア・アベニュー側の小売運営の拡大を行った際に、ギャラリア・タワーの賃貸面積を縮小させたことで家主側はDFSにその分の家賃としておよそ700万ドル(8億円)の支払いを求めている。
また、賃貸契約が終了した昨年5月31日時点でDFS側は建物の構造を元の状態に修復したかったために受けた損害の賠償も求めている。
家主側のブラックサンド・キャピタルのCEOであるB. J. コバヤシ氏は「DFSが賃貸契約を更新しないことを決めてから1年以上が経ちますが、賃貸契約終了時の義務を履行しようとしているようには見えません。当社としては、ハワイ経済の中心ともいえる、ワイキキで最も目立つカラカウア・アベニューの物件に投資するにあたり、この物件を利用できる状態にすることを求めています。DFSが賃貸契約終了時の義務をきちんと履行することは、我々の計画の重要なステップです。そしてそれは、ハワイ州をパンデミックの打撃から復活させ、雇用を創生し、ハワイ州の観光インフラを向上させることにつながります」とコメントしている。
ブラックサンド・キャピタルはワイキキ・ギャラリア・タワーを昨年7月に2億7,000万ドル(およそ310億円)で購入しており、それ以来タワーの再開発計画に着手している。
これに対してDFSの広報担当者は「当社としては2021年1月に賃貸契約を更新しないことを決定しており、これはワイキキ・ギャラリア・タワーの下部分にある「ザ・ウォーク」と呼ばれる小売用エリアを含んでいます。当社は前の家主との契約を守り「ザ・ウォーク」部分の家賃について支払いを行っており、新しい家主との約束をサポートするべく修復作業は保留している状態です。2021年の初めから、前家主と現家主の双方とワイキキ・ギャラリア・タワーの修復作業をどのようにするかについての議論はまだ継続している状態で、今回の提訴はこの問題の解決を遅らせるだけとなることを残念に思っています」と述べている。
DFSハワイは1962年からハワイの数カ所で小売業を営んでおり、一時は全盛期を迎えたもののここ数年は低迷していたため、2019年にはおよそ165人を解雇した。
現在ワイキキ店の再開が計画されており、それに伴って従業員の採用をする予定だという。
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写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2022.1.19)