1月13日(木曜日)、ハワイカイ・ライオンズクラブは2つの水難用救助器具をカイルアの海岸に設置した。
きっかけとなったのは、女性が溺死するという昨年12月12日の痛ましい事故だ。
亡くなった世界的に有名なダンサー兼振付師であるナイニ・チェン氏は、家族と共に休暇でハワイにやってきて、カイルアにある義妹のビーチハウスに滞在中に溺死した。
近隣に住むジェイソン・パールメイヤーさんは、12歳の少年2人がチェン氏を海から引き上げようとしていたところを目撃しているが、結局チェン氏は蘇生することなく亡くなった。
2年半前にも同じ場所で1人の男性が亡くなっている。
2019年5月31日、セイジェ・アンソニー・ダニエルさん(21歳)が友人女性2人と共に遊泳中に溺れた。
パールメイヤーさんの義父が見つけて、義兄弟が家にあったサーフボードを持ち出して2人の女性を救出したが、ダニエルさんは波に飲み込まれて3日後に遺体で発見されている。
このエリアの海は一見すると浅瀬で穏やかなように見えライフガードもないが、海中では流れが速く容易に人を巻き込んでしまうという。
この2件の痛ましい事故を受けて、このエリアに20年以上暮らしているパトリック・ステインマンさん(63歳)が海岸沿いに建つ住宅の庭に水難用の救助器具を設置してもらうために、1軒1軒の家をまわって支援を要請したのだが、住民は概ね好意的だったという。
設置に伴う法的責任の問題については、ハワイカイ・ライオンズクラブと州上院議員スタンレー・チャン氏が協力して、水難用救助器具は設置した不動産所有者の免責事項となることが法制化されている。
この水難用救助器具は、黄色の棒状(チューブ)で海岸に立てられている。
溺れかけている人を発見したときに、発見者はこのチューブをベルトで自分の肩に斜めがけをして海に入り、水難者をチューブにつかまらせて救助する。
もし発見者自身が水泳に自信がない場合には、2次災害を防ぐためにこの器具を使用せずに911に通報するように。
シェアする
写真: Shutterstock
(日刊サン 2022.1.14)