昨年1年間の消費者物価指数を見ると、食料品全体の価格上昇は10%以上だが、卵単品では60%近くも跳ね上がっている。
ワヒアワで鶏卵農場を営むシャロン・ピーターソン氏によると、アメリカ本土の鶏卵農場で鳥インフルエンザ感染が拡大したのが原因だという。
同氏は、KHON2に次のように話している。
「農場の中で1羽でも鳥インフルエンザ感染が発生したらしたら、全ての鶏を廃棄することになる。感染源である渡り鳥はハワイには来ないので、あまり心配はしていない。12日時点で、ハワイで鳥インフルエンザ感染は報告されていないが、段ボールや燃料、輸送費など全てが高騰しており、地元の農場は依然として経済的苦境に立たされている」
卵の生産には鶏が必要だが、その鶏にも寿命があるため、常にヒヨコを確保する必要がある。これが今大きな問題となっているという。
「鶏卵農場では定期的に鶏を入れ替える必要があるが、そのスケジュールが鳥インフルエンザによって大きく狂ってしまった。全ての関係者が、新しいヒヨコを必要として長い列を作っているような状況だ。ハワイでも徐々に難しくなってきている」
同農場では、2022年10月から値上げをしておらず、一般市民には非常に歓迎されている。
アイエア在住のジョー・ブラック氏は、「食費の予算が非常に苦しい中で、何よりも卵を買うようになった。茹で卵もいいし、チャーハンやサイミンに入れたり、朝食にシンプルな目玉焼きにもできる」と話す。
ピーターソン氏は、住民が物価高騰で苦しんでいることについて次のように語っている。
「全ての価格が上がっており、高齢者にとっても、若い人の家庭にとってもきびしい。当農場でも値上げという選択肢もあるが、今はまだしたくはない」
ピーターソンズ・アップランド・ファームでは午前9時から午後3時30分まで、ドライブスルー方式で卵を販売している。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.1.13)