ハワイ大学アメフト部主任コーチであるトッド・グラハム氏の解任を求める声が大きくなっている中で、ハワイ州上院議員も解任に賛成している。
グラハム氏が部員に対していじめや不適切な対応をしているという声がアメフト部員から上がり州議会で証言し、数人の部員が別の大学へ転学をするという事態が起こっているためだ。
しかし単に解任するというわけにはいかない。
契約期間が残っているために給与保証として多額の費用を支払わなければならない。
ジム・ビッカートン弁護士は「グラハム氏の年収は40万ドル(およそ4,500万円)以上で、まだ3年の契約期間が残っているため、解任するためには100万ドル(およそ1億1,400万円)以上を支払うことになるでしょう」と述べており、エリック・セイツ弁護士も「もし本当に解任したいのなら、支払うしか方法はありません。金額については双方で交渉して折り合いをつけることになります」と述べている。
ハワイ大学はバスケットボール部の主任コーチ、ギブ・アーノルド氏を2014年に解任した際に140万ドル(およそ1億6,000万円)を支払っており、2011年にアメフト部主任コーチ、グレッグ・マッカキン氏を解任したときには60万ドル(およそ6,800万円)、2015年にアメフト部主任コーチ、ノーム・チョウ氏を解任したときに34万ドル(およそ3,800万円)を支払っている。
州上院議員のドナ・マーケイド・キム氏は「グラハムコーチに対する部員の申し立てがもし本当なのであれば、ハワイ州と大学には責任があります。契約期間途中の解任で支払うか、もしくは原因がグラハム氏にあるということで(支払うことなく)解雇とするか、どちらかしかありません」と述べている。
1月12日(水曜日)には州上院議員のカート・フェベヤ氏がグラハムコーチだけでなく、(上司の)大学運動部ディレクターのデーブ・マトリン氏、(その上司の)デービッド・ラスナー学長も、学生に健康的で安全な環境を提供できなかったということで責任をとって退任するべきだと訴えた。
これに対して大学側は、ハワイ大学の全ての学生はメンタルヘルスのカウンセリングというサービスを受けることができ、大学は適切な対応をしていると反論している。
また、部員による申し立てについてはあくまで申し立てに過ぎず、グラハム氏を含む大学側は事実ではないと否定している。
1月20日にはこの問題を話し合うための理事会議が開催されるが、コーチを解任する権利は理事ではなく運動部ディレクターにある。
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写真: Shutterstock
(日刊サン 2022.1.13)