【世界のこぼれ話】肉、魚、豆腐…全てのタンパク質にマイクロプラスチック アメリカ
チキンナゲットから豆腐まで、アメリカのほとんどのタンパク質にはマイクロプラスチックが含まれているとザ・ヒルが伝えている。8日(月)に発表された「エンバイロンメンタル・ポリューション(Environmental Pollution)」の研究によると、肉、魚、ベジタリアンの代替肉を幅広く調査し、その88%に何らかのマイクロプラスチックが含まれていることが判明したという。これらのサンプルには、天然魚の切り身、湾岸産のエビ、牛肉や鶏肉などの調理済み肉、豆腐や植物性のひき肉が含まれていた。
マイクロプラスチックとは、砂粒や髪の毛ほどの大きさの小さなプラスチックの破片のことで、多くの潜在的な健康被害をもたらすと言われている。アメリカ人の年間タンパク質消費習慣に基づいて、科学者たちは、平均的なアメリカ人は年間1万1500個ものマイクロプラスチックを摂取しており、タンパク質を最も多く摂取する人は380万個ものプラスチック破片や繊維を摂取していることを発見した。
オーシャン・コンサーバンシー(海洋保護団体)の海洋生物学者でプラスチック科学部門アソシエイト・ディレクターのブリッタ・ベクラー博士は、「プラスチック汚染がいかに蔓延しているかに愕然とさせられる。人間は陸上に暮らしているが、魚介類のサンプルは陸生由来のタンパク質と同じくらいプラスチックで汚染されている可能性がある」と語った。
マイクロプラスチックの発生源は不明である。調査では、パン粉をつけたエビが特に多く、次いでフィッシュスティック、チキンや植物性のナゲットなど、高度に加工された製品は「著しく」マイクロプラスチックが多かったが、科学者たちは、どんなものであれ安全なタンパク質はないと注意を促した。
なお、加工によってプラスチックが増える理由のひとつは、加工食品が「プラスチック製の食品製造設備(ベルトコンベアや作業員の衣服など)と接触している時間が、最小限の加工を施した製品よりもはるかに長い」ためである可能性があるという。
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