大晦日から元日に行われた違法な花火の打ち上げで死亡者1人と多くの負傷者が出たことを受け、州政府は各島の関係者と協力して「花火ゾーン」の設置を検討しているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
ワヒアワ在住のケネス・メイヤーズさん(28)は大晦日の深夜、年が変わった数分後に近隣住民の花火に巻き込まれて重傷を負い、病院に搬送されたが数日後に亡くなった。
9日(月)の会見でジョッシュ・グリーン知事は、州内各島に10〜20カ所の「花火ゾーン」を設置することによって死亡事故を防ぐことができるのではないかとし、「ホリデー中の3日間の限定で、より広範な公共の花火プログラムを考えている」と述べた。
オアフ島では、打ち上げ花火や手持ち花火(sparkler)は2011年から禁止されており、消防署が発行している爆竹許可証は、大晦日午後9時から元日午前1時までの4時間に限定されている。
爆竹の許可は旧正月と独立記念日にも発行されているが、今回の知事の案では、区域を限定し、花火の使用許可の期間が3日間に延長されることになる。
また州当局は、ハワイに密輸される不法花火の取り締まりも強化したいとしている。
危険な花火は、その分利益も大きく、密輸が跡を絶たない。
当局によると、密輸される花火は原価の3倍以上の利益があるという。
州警察のジョーダン・ロー局長は、「例えば1万ドル分の違法花火で、3万ドルから10万ドルの儲けを得ることになる」と述べている。
ホノルル警察は、元日の花火に関連して、2,400件以上の通報を受け、17件の違反切符を発行し、300ポンド(約136キログラム)以上の不法花火を押収している。
押収された花火のほとんどが中国からのものだが、違法花火の取り締まりのために中国からの積荷を全て検査することは不可能だという。
花火を3日間許可することによって、高額な違法花火の購入が減少し、密輸の利益が少なくなれば、密輸自体も減るのではないかと考えられている。
グリーン知事は、「ただ密輸を取り締まるだけに留まらず、花火大会を開催することによって、人々が違法花火を購入するのではなく、花火を見物するようにもっていきたい。安全な場所で、専門家による花火を楽しむことができれば、違法花火を自分で打ち上げて指を失うようなことにならなくて済む」と述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.1.10)