米連邦航空局(FAA)は、アラスカ航空のジェット旅客機が飛行中に側面の一部が欠損したことを受け、米国の航空会社が運航する、あるいは外国の航空会社が米国内で飛行するボーイング737MAX9型機に対し、一時的な接地命令を発令したとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
5日(金)、オレゴン州ポートランドを離陸して7分後、カリフォルニア州オンタリオに向かっていたアラスカ航空のボーイング737MAX9は、機体パネルの一部が吹き飛ぶ事故が発生した。急激な客室圧力の低下により、子どもの服は引き剥がされ、天井から酸素マスクが落下したが、安全に緊急着陸した。アラスカ航空によると、数名の乗客が医師の手当てを必要とするけがを負ったが、現在、全員の健康状態は回復しているという。
今回の事故はハワイ便ではなかったが、ほぼ新品の飛行機の機体の一部が吹き飛ぶ事態は、以前にもハワイ島とアメリカ本土間のフライトで発生している。アラスカ航空は、10月31日にこの飛行機を引き渡したと発表した。
FAAの接地命令により、5日(金)に2便、6日(土)には少なくとも15便を含む、アラスカ航空の複数のハワイ便キャンセルが発生した。6日(土)の午後4時時点で、アラスカ航空はシステム全体で合計160便をキャンセルし、およそ2万3000人の乗客に影響を与えた。同航空会社は、少なくとも今週半ばまでは混乱が続くと予想していると述べている。
6日(土)にFAAが出した緊急命令は、検査が完了次第737MAX9の運航を再開するというもので、アラスカ航空とユナイテッド航空は数百便のフライトを遅延またはキャンセルする結果となった。FAAは、この検査は世界中で171機に影響し、それぞれ4時間から8時間かかると発表している。737MAX9を65機保有するアラスカ航空と79機保有するユナイテッド航空は、必要な検査に取り組んでいる。
シアトルを拠点とするアラスカ航空が、昨年12月に発表された19億ドルの取引でハワイアン航空の買収を進めていることも、ハワイにおけるこの事件の重要性を高めている。規制当局と株主の承認を条件として、この取引は12カ月から18カ月の間に完了する予定となっており、承認されれば、全米第5位の航空会社であるアラスカ航空は、138都市に就航する365機の航空機を保有する航空会社に成長することになる。
アラスカ航空のハワイ地域担当副社長であるダニエル・チュン氏は、Eメールで次のように述べた。「直ちに、影響を受けたお客様と従業員のケアに集中し、事件の調査に取り組んでいるが、この事件は、ハワイアン航空との統合という当社の継続中の計画に影響を与えるものではない。この戦略的決定は、すべてのお客様とハワイの人々のために、サービスの提供と顧客体験を向上させるという共通のビジョンに根ざしたものであり、軌道に乗ったままである」
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画像:stock.abobe.com / Photoboyko
(日刊サン 2024.1.8)