ハワイ州当局は新型コロナウィルス入院患者の統計の取り方を変更することを検討しているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
実際には医療機関に入院して別の病気のための治療を受けているコロナ感染患者が非常に増えていることがその理由だという。
衛生局の発表によると1月6日の時点で新型コロナウィルスに感染して入院している人は234人となっている。
しかし、ハワイ・ヘルスケア協会のCEOであるヒルトン・レイテル氏によると、そのうちの20%は別の理由で入院をしており、コロナ感染による重篤化の治療が必要となったために入院したのではないという。
この状態は、いかに一般社会の中でコロナ感染が拡大してきているかを示している。
現在オミクロン株による感染数が激増して感染件数の最多を記録しているが、これは以前のデルタ株の時とは違う様相を示している。
コロナと関係のない治療を受けている入院患者がコロナ感染による入院患者として数えられるのはなぜなのか?
レイテル氏は、非常に複雑な問題だという。
全ての医療機関は入院する患者に対してコロナ検査を実施する。
それで結果が陽性であれば、たとえ入院理由が全くコロナと関係のないものであったとしても、コロナ感染患者として統計で数えられてしまうのだ。
以前からずっとハワイ州の医療機関は州政府に対してこのように報告をあげてきたという。
しかし今では「(別の理由で入院したら)たまたまコロナに感染していた」という入院患者が全体の20%以上に達してきている。
ハワイ・パシフィック・ヘルスのCEOであるレイ・ヴェラ氏は「現在のやり方はコロナ感染入院患者数をより多く数えてしまっているかと聞かれたら、確かにその通りです。しかし、同じルールの元で一貫した方法で感染を報告することが重要だと考えます」と述べている。
レイテル氏も「医療関係者の観点からすると、コロナと関係のない治療を受けていても感染していれば「コロナ感染患者」として取り扱う必要があります」と述べている。
コロナに感染している患者に接するために医療従事者や防護器具など、非感染患者とは違う扱いが必要だからだ。
問題はコロナ入院患者をどのように数えることが正しいのかということで、その方法を検討しているという。
6日時点でコロナ感染入院患者の43%はワクチン接種を受けているが、その多くは高齢者であったり持病を持っているとジョッシュ・グリーン副州知事が述べている。
オミクロン株は感染力が非常に強いが、ほとんどの場合デルタ株ほど重篤化する
傾向はないという。
グリーン副州知事は「デルタ株感染では4%が入院を必要とする症状となりましたが、オミクロン株では1%に満たないほどです」という。
オミクロン株はデルタ株ほど呼吸器官を攻撃しないことと、ワクチン接種が進んでいることが理由として考えられている。
集中治療室で治療を受けているコロナ感染患者は23人だが、ほとんどの人はワクチン接種を受けておらず、誰も3回目の追加接種を受けていないという。
現時点で医療機関の問題はコロナ入院患者数ではなく、医療従事者が感染あるいは感染者と接触したために自己隔離となって欠勤しているために人員が不足していることだといわれている。
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写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2022.1.7)