右側通行のアメリカでは通常、交差点で信号が赤であっても、安全を確認して右折するのは許されている。
しかし、最近オアフ島の主要な交差点で「赤信号での右折禁止(No Right Turn on Red)」という標識を目にすることが多くなった。
歩行者と自転車の安全性を高めるため、この標識の設置箇所を増やすという州の新たな取り組みだが、一部のドライバーにはあまり評判が良くないとKHON2が伝えている。
アラモアナ・ブルバードにあるいくつかの交差点(ピイコイ・ストリート、ホブロン・レーン、カマケエ・ストリート)にも同様の標識が立てられている。
州運輸局によると、これらの交差点では、歩行者や自転車が巻き込まれた事故が平均よりも多いという。
同局の局長代理であるエド・スニッフェン氏は、「大通りを右折する際、ドライバーは、歩行者や自転車を確認するために右を見るよりも、車の流れに入り込む隙間を見つけようと、左の方に注意が向いていることが多い」と述べている。
アラモアナ・ブルバードとカマケエ・ストリートとの交差点には、アラモアナからの右折を防ぐために支柱も設けられている。
「この交差点では、歩行者や自転車に注意を払わず、速度を落とさずに曲がっていく車が多い。非常に危険だ」
しかし、この施策に対し、交通渋滞をさらに悪化させるものとして不満を抱く声もある。
ホノルル在住のフレデリック・ハートマンさんもその1人で、「通勤、退勤時の渋滞を悪化させ、不必要な交通量が増えるだけだ」とコメントしている。
赤信号での右折に慣れているドライバーの中には、新しい標識に注意を払うことさえなく、後に気づいたときに非常に驚いたという人々もいる。
キャサリン・ヨーさんは、「特に慣れた道では、ほとんど無意識に運転しているので、新しい標識に気がつかないこともある」と述べている。
KHON2も取材中に、標識があるにもかかわらず赤信号で右折する車を数台目撃した。
運輸局では、必要に応じて電子道路情報板を設置し、「赤信号での右折禁止」について注意喚起することも検討しているという。
この標識は、フォート・ウィーバー・ロード、ファーリントン・ハイウェイ、カラニアナオレ・ハイウェイにも設置されている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.1.6)