ハワイ州では昨年1年間で、公職者の収賄に関連して13人がFBIによって逮捕された。
新年にあたり、ハワイ州担当FBI主任捜査官であるスティーブン・メリル氏がハワイ・ニュース・ナウのインタビューに答えている。
メリル氏は就任して18カ月だが、その間の逮捕者のほとんどがホワイトカラーだという。
- カラニ・イングリッシュ元州上院議員、タイ・カレン元州下院議員、および2人のマウイ島職員は、会社経営者のミルトン・チョイから多額の金品を受け取ったとして収賄の容疑で逮捕され、有罪を認めている。
- 昨年1月、ロイ・アメミヤ元ホノルル市助役(Managing Director)、ダナ・レオン元コーポレーション・カウンシル長、マックス・スウォード元ホノルル公安委員会長は、ルイ・ケアロハ元ホノルル警察署長への退職金支払いに関する共謀罪で起訴されている。
- 6月には、キース・カネシロ元ホノルル市検察官と政界とつながりのあるエンジニアリング会社「マツナガ・アンド・アソシエーツ」の社員5人が関与した贈収賄疑惑が発覚している。
「選挙で選ばれた公職者は、過去にFBIに摘発された先人たちの教訓から何も学んでいないようだ」とメリル氏。
汚職はハワイに限ったことではないが、他のFBIの事件よりも注目を集めることは間違いない。
それ以外では、コンピューター関連、子供や高齢者をターゲットにした犯罪の摘発に力を入れていくという。
「子供や高齢者は特に狙われやすい。高齢者はオンライン詐欺の被害に遭いやすく、子供たちはソーシャルメディアを通じて被害を受けている。ネット詐欺師はは、一度に多くの子供たちを餌食にしようと網を張っている」
ハワイの企業もランサムウェアなどのコンピューター犯罪によって大きな被害を受けている。
メリル氏は、「報告されているよりもはるかに多くのサイバー犯罪が発生している。特に民間企業では内部で問題を解決しようとする傾向がある。FBIに名乗り出ることに抵抗があるようだが、できればこの態度を変え、協力してもらいたい」と述べた。
また、FBIでは人材の確保に取り組んでおり、1月11日に開催されるバーチャルイベントなど、関心を高めるための採用ツールをいくつか試みているという。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.1.5)