新型コロナウィルス感染により重症化した人々の入院が増加している一方で、医療従事者が不足しているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
1月3日には202人、4日には193人が新型コロナウィルス感染で入院しているが、そのうち24人が集中治療室での入院、14人が人工呼吸器を利用しているという。
コロナによる入院数自体は大きくないが、医療機関ではすでにコロナとは関連のない入院患者でいっぱいの状態で、医療従事者が感染して出勤できずに人手不足に陥っているという。
ハワイ・ヘルスケア協会のヒルトン・レイテル氏によると、事態は不安定だという。
「これから入院患者数は増加していくと思われます。我々の予想としては300人から400人と見ていますが、今およそ1,000人の医療従事者が感染や濃厚接触によって仕事につくことができない状態です」
現時点でハワイ州内の医療施設に入院している患者数の合計は2,265人で、デルタ株感染拡大によるピーク時よりも100人ほど少ない状態だ。
ただし、集中治療が必要な重症患者数はずっと少なく、入院期間も短いという。
また、連邦緊急事態管理庁(FEMA)に対して、本土から930人の医療従事者の支援を要請している。
ハワイ看護師協会のダニエル・ロス氏によると、クリスマスや新年で看護師自身が新型コロナウィルスに感染したり、家族が感染したことにより自己隔離することになり出勤できる看護師の数が減少しているだけでなく、病院食の担当や清掃業務に携わる人々の中にも欠勤する人が出ているという。
クイーンズ・メディカル・センターではおよそ140人の看護師が病欠しているため、出勤可能な看護師に現金ボーナスを支給して有給休暇の取りやめや、時間外労働を依頼している状態だ。
1月4日の時点でハワイ州では74.4%の人がワクチン接種を完了しており、26%が追加接種を受けている。
また、4日の新規感染数は1,592件(オアフ島1,231件、ハワイ島120件、マウイ島87件、カウアイ島42件、モロカイ島9件、ラナイ島11件、州外で確認されたハワイ住民の感染92件)で、7日間平均では2週間前の比べて234%増となっている。
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写真: Shutterstock
(日刊サン 2022.1.5)