1月1日から、オアフ島で風船を空に放つ行為が条例で禁止された。どんな種類でも数に関係なく違法行為となったことに当局は注意を呼びかけているとKHON2が伝えている。違反すれば最高500ドルの罰金を課せられることになる。
空に放つ風船の販売を1970年代から行ってきた「ハワイ・バルーン・カンパニー」では風船を放出する営業はすでに停止したという。
オーナーのレスリー・ジェフリー氏は「風船は大気中を上っていって弾けます。小さくなって地上に落ちてきます。人々はその影響について理解を深めるようになって、そういう行為は良くないことだと考えるようになりました。当社ではもう半年以上、風船の放出はしていません」と述べている。
ただし、故意に放つことが違法で、子どもが不意に手から風船を離してしまった場合に罰金刑とはならない。
しかし、例えば卒業祝いなどで風船を空に放つという行為は故意に行われることであり、その場合には最高500ドルの罰金となる。
風船は脆性破砕と呼ばれる破れ方をするために細い紐状の小さな破片となる。
その破片をアルバトロスなどの海鳥や、ウミガメなどの海洋動物が餌と間違えて食べてしまうことが問題となった。水と混じって粘着性の物質となり、動物たちの体内に入り、消化管を詰まらせてしまう。
また、風船が通電線に絡まるという事故も起きている。ハワイアン・エレクトリック社によると、2018年から風船が送電線に絡まったために22件の停電が起きているという。
ハワイ・バルーン・カンパニーでは、イベントなどで風船を大気に放出する代わりに、「風船を落とす」ことを提唱している。
「空気を入れた風船に紐を取り付け、ネットに入れて天井に取り付けます。紐を引っ張ると風船が落ちるという仕掛けです。イベントが終了した後に当社が風船を集めて潰し、ゴミとして処分します」
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.1.4)