壊れた自転車に乗って財布を返す
マウイ島のフードランドで警備員をしている22歳のタウンゼントさんは、12月11日に職場であるフードランドのショッピングカートの中にお財布が置き忘れられていたのを発見した。
中には入っていた免許証からその財布がクロエ・マリノさんのものであることがわかったため、タウンゼントさんは勤務が終わった後に家まで届けてあげたのだ。
タウンゼントさんは車を所有していなかったため、職場からマリノさん宅まで3マイル以上の道のり(およそ5キロ)を自転車に乗って財布を届け、また3マイルほど自転車に乗ってもう一つの仕事先である空港まで行ったという。
マリノさんはお礼をしようとしたが、タウンゼントさんは「クリスマス前に返せたらいいなって思っただけなので」とお礼を受け取ろうとはしなかった。
タウンゼントさんが自分の財布を返却するために10キロも自転車に乗ったことを後になって知ったマリノさんは感動してこの話をフェイスブックに投稿したところ、あっという間に募金活動が始まった。
当初の目標額は5,000ドルだったが、マウイ島の人々から集まったお金は25,000ドルに達したのだ。
中古車ディーラーのマネージャーも協力して17,000ドルのフォルクスワーゲンジェッタを12,000ドルに値下げして、しかも税金や登録料金は会社が持ってくれた。
こうしてタウンゼントさんは12月31日に、車とお金を受け取ることになったとKHONが伝えている。
タウンゼントさんが通勤に使っていたのは、6年も使い古した壊れた子供用の自転車だった。
「2020年は仕事も無くなった時期もあって、本当に大変だった。でも犠牲者のように振る舞うのではなく、立ち上がって頑張ろうと思ってやってきた。私のために募金をしてくださった皆さんに感謝します」
(日刊サン 2021.01.04)
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