11月27日、アラワイ小学校とジェファーソン小学校の生徒約240名が、アラワイ運河の水をきれいにするGENKI ALAWAI Project(www.genkialawai.org)に協力し、泥玉のGENKI BALLを投げ込んだ。
約1.5マイルの運河を浄化するためのこのプロジェクトは、ホノルル市が正式に許可したもの。日本をはじめ世界各国で成功した河川の浄化プロジェクトを、ここハワイのアラワイ運河でも導入が決定。それに合わせてジェファーソン小学校の2年生、3年生、5年生約160名とアラワイ小学校のプリスクールと4年生78名、STEMクラスの子どもたちが協力し、革新的な技術のテストに協力する。
STEMクラスとは「Science サイエンス」「Technology テクノロジー」「Engineer エンジニア」「Math マス(数学)」の頭文字からとった名称で、それぞれの分野を統合した学びのことを指す。問題を解決することを目的とした授業で、このGENKI ALAWAIプロジェクトに協力することで「アラワイ運河をきれいにするには」という事象を対象としている。
小学生が元気よく投げ入れた合計900個のGENKI BALLとネーミングされた泥玉は、糖蜜、米ぬか、土、水、と有用な微生物(EM1)を混ぜ合わせ、発酵させたもの。「GENKI BALLは特殊なバクテリアEM菌で満たされた泥を固めたものです。この泥玉は、運河内に堆積した有機物が腐敗してできたドロを分解するのに効果的です。主となるEM菌によるヘドロの分解が進むと、植物性プランクトンが増え、有害なバクテリアを抑制し、悪臭を軽減。また魚介類も増えるので食物連鎖がよみがえり、生態系が豊かになります。EM活性液(微生物混合液)の連続投入と泥玉の投入により、投入する微生物の量が多いほど水質の改善が早まる傾向にあります」と関係者は話す。このプロジェクトが成功すれば、数年後には運河で泳ぐことも、きれいな魚を釣ることも可能になる予定。小学生たちは今後数カ月に渡って水質を調査する。
(取材・文 鶴丸貴敏)
(日刊サン 2019.12.27)