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【日刊サンコミュニティニュース】一生青春、一生勉強 木曜午餐会 2020年新年祝賀会

中央最後列は琉球舞踊を披露してくださったエミーイワサキさん、89歳ながら凛として!

 

 毎週木曜日、多彩なゲストを講師として招き、楽しく興味深い勉強会を開催している『木曜午餐会』。テーマは政治・経済やカルチャー、音楽や旅、宗教や心身の癒し、微生物から宇宙まで森羅万象を網羅。

 

日米国歌、ハワイ州歌を皆さんで合唱

 

 メンバーは年齢、性別、国籍を問わず、誰でもウエルカム。現在の登録メンバーは約100人で、『一生青春、一生勉強』を合言葉に、ハワイでは最も歴史の長い非営利団体として、今年創立102周年を迎えた。

 さる1月16日には、パゴダ・ホテルで伊藤康一在ホノルル日本国総領事を主賓ゲストに迎えて『2020年新年祝賀会』を開催し、90人近くが参加した。

 新名瑛会長は冒頭、下記のようにあいさつをした。 「ここ十数年のITの急速な普及に伴い、多くの情報を得られるようになった半面、直接人と向き合う機会が少なくなってきています。これが人々を幸せに導く方向でしょうか。こうした時代だからこそ、人と人が向き合う木曜午餐会のような手作りの会合が、より必要になってきていると強く感じます。メンバーの高齢化に伴い、人数は減少気味ですが活気があり、毎週木曜日の勉強会はいつも60人近い方々が参加されています。これからは他の団体との交流も交え、豊かな一年にしていきたいと考えています」

 

伊藤総領事が、ハワイにおける 日米友好の実例を紹介

 新年会は、日蓮宗ホノルル妙法寺の住職であり、オペラ歌手でもある山村尚正僧を先導に、日米の国歌、ハワイ州歌を合唱。伊藤総領事の新年のスピーチへと続いた。テーマは『日本とハワイの関係、ハワイで交錯する日本とアメリカの同盟関係について』。

 伊藤総領事はまず、年始に参加した行事について触れた。 「年明けすぐに東京オリッピックに参加する全日本柔道の男子チームがハワイに来て、エバにある体育館で1週間ほど強化合宿をしました。その合宿のコーディネイトやお世話をしてくださったのが、ハワイ在住の日系アメリカ人ケビン・アサノさんです。彼は1988年のソウルオリンピックで日本人を破って銀メダルを獲得した柔道家です。小柄なケビンさんに負けた日本の柔道界は当時相当なショックを受けたそうで、でもケビンさんはその後、日本とアメリカの柔道界のキーパーソンとして長きにわたって尽力してくださっています」

 

 

キラリと光るエピソードの語り達者な、伊藤康一総領事

 

 ケビン氏は昨年、日本の外務大臣から日米間での柔道交流の功績を表彰された。 「現在、全日本の監督は井上康生さんで、彼は2000年のシドニーオリンピックで金メダルを獲得していますね。独自のコーチングで2016年のリオオリンピックでは金メダル2個、全階級メダル獲得の快挙をあげています。ハワイでの合宿もユニークで、地元の柔道愛好家をどんどん誘って一緒に練習したり、ローカルの子ども達に柔道を教えたり、すごくオープンでフレンドリーでした」

 伊藤総領事も合宿の応援に行き、井上監督にハワイを合宿地に選んだ理由を聞いたところ、「2008年の北京オリンピックの前に、全日本のヤワラちゃんこと谷亨子さんをはじめとする女子柔道のチームがハワイで合宿をしたら次々とメダルを取った。それにあやかってます!」と、ユーモアのある答えだったと報告、会場も沸いた。 「1月9日には加藤厚生労働大臣がハワイにあるアメリカ国防総省の調査機関を視察しました。遺骨の身元の特定にかけてアメリカは、世界最先端のDNA鑑定技術などを備えています。国のために犠牲になった方々の遺骨や遺品は、全てアメリカの家族の元に返すことを公言しているほど熱心な取り組みです。アメリカの調査技術は、DNA鑑定以外にも最新の方法があるようで、加藤厚労大臣は朝から夕方までびっしり詰めて、遺骨調査の研究者から説明を受けたり意見交換をしていました」

 

総領事夫人と上原進助牧師

 

 ハワイを中心とする南太平洋の島々には、いまだ75年前の日米はじめ大戦の、多くの遺骨が眠っている。 「これからはさらに日米協力を強化して、戦没者の方々の遺骨の収集をしていく予定だそうです」

 また河野防衛大臣も、アメリカの国防長官との会談に行く途中にハワイに立ち寄り、アジア防衛の要所であるハワイでイージス艦などを視察した。

「河野大臣は、若い時から日系アメリカ人の研究をしてきた方で、ハワイの日系移民の歴史にも詳しいです。我々、ハワイの総領事館は、日系アメリカ人の方々が祖国を実感できる存在であるという役割もあります。今年もローカルのさまざまな行事に参加することで、日米間の、ハワイならではの親密な交流を重ねていきたいと願っています。太平洋戦争で相敵対した国が、今のように強い同盟関係で結ばれている歴史はこれまでにないことです。世界に誇るべき例です」  と、戦後の日米関係のきずなの強さを強調した。

 

本日最高齢のモリモトタカコさん、お洒落!

 

 伊藤総領事のスピーチは、主催者の要望で少々長いものとなったが、皆さんさすが、毎木曜日の勉強会仕込みの好奇心、向上心に満ちた熱心さでした!  ビュッフェランチの後には、ミニコンサートや琉球舞踏、フラなどの披露があり、元気で和やかな新年会となった。

 

 

N.Y.ストリートミュージシャンがカーネギーホールの舞台に立った経歴を持つ中野成将さんの歌と演奏、そして仲間との合奏も

 

(取材・文 奥山夏実)


木曜午餐会

日時:毎週木曜日、12時30分より1時30分まで

年会費:$20、非会員の方は1回の講演ごとに$2

場所:マキキ聖城キリスト教会

入会・問合せ:808-341-3547(新名)

       [email protected]


(日刊サン 2020.1.29)

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