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アラ古希からのユルユラAlohaマインド

ラブレター

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  私がホノルルへセラピーの勉強ために留学をしたのは2014年でした。授業の教科書は分厚い英語。そんなある日、日系スーパーの書籍コーナーで直木賞受賞作の「ホテルローヤル」に出会ったのでした。

 釧路市出身の桜木紫乃さんの「ホテルローヤル」が直木賞を受賞したのは2013年。その記念作が、発売から7年経過した今年、映像化へ。2020年11月に全国で公開予定。受賞から7年をかけて出版部数が100万部に到達されたことは、素晴らしいと思います。

 「ホテルローヤル」は、桜木さんの実家だったラブホテルを舞台にした七編の連作。実家は理容室であったが、15歳のときに父親が釧路町にラブホテルを開業し、部屋の掃除などで家業を手伝っていたという経験が性愛への冷めた視点を形成したそうです。

 この本はホノルルに居て、故郷を彷彿とさせてくれた一冊でした。私の故郷は北海道旭川。市内を見下ろす丘には、家族向けスーパー銭湯が在りました。その近くにネオンがチカチカしていたラブホテルも。

 そして、私が22歳の時に、父親が一念発起で60歳を目前にして、父なりの思いがあったのかビジネスホテルを開業。私もホテルの諸々な手伝いをした経験とも重なりました。

 今回の映画化に向けての桜木さんは、「小説には過剰なメッセージは込めないのですが、映画は私が込めなかったメッセージをさまざまな角度から炙り出してくれました。私が淡々と書いてきた女性たちが新たな一歩を踏み出していて、この映画は女性の生き方を後押ししてくれる作品であると感じました」と感想を述べています。

 私にも同じような記憶がここでも重なりました。それは、私が34歳の時に向田邦子さんの本に憧れて書いた短編を地元の文学賞へ応募したところ思いがけず受賞となり、さらに驚くことにNHK創作北海道ラジオドラマに選ばれました。脚本の台本を手にした時に、短編が深く掘り下げられ見事なドラマになった感動が、今も心に蘇ります。

 テレビ番組に出ていた彼女の話で、現在の夫が結婚前に東京へ転勤になり、2年間毎日便箋5枚から10枚のラブレターを書いたとか。愛や恋の文字はなく釧路での日常を綴ったそうです。このラブレターが、直木賞作家となるための文字綴りの地固め時間だったとも告白されています。

 私は日刊サンハワイのコラムを2014年から2015年の間は月に2回、その後は2020年の今に至るまで7年間、月に1回書かせて頂いております。とても楽しみであり感謝していますが、1000文字を書くには、それなりの努力も欠かせません。ですから、便箋5枚から10枚のラブレターを毎日書かれたことには全く敬服です。

  ハワイ留学へ 60代からのユルユラAloha留学 No.96

蒼井 絹子

北海道生まれ。学習院女子短期大学英文科卒業。 

1984年 「ベルーシの涙は、スニーカーブルース」が、NHK北海道ラジオ創作ドラマで採用。 

1987〜89年 3人の小学生の子供達を連れて渡米。シアトルのグリッフィンカレッジに留学・卒業。シアトル日本語放送局にて番組を担当。 

1994年 北海道にて、陶芸工房【G-club】を開設。 

1997〜2001年 北の生活産業デザインコンペにて入選・入賞。 

2002年 財団法人中小企業総合研究機構会長賞を「マグネット・アート」で受賞。 

2003年 東京に工房・オフィスを開設。 

2011年 日本旅行作家協会入会。東京都TASKものづくりコンテストにて奨励賞を受賞。 

2012年 東京都美術館「東京展」にて「マグネットアート」入選。 

2014年7月7日より、ハワイマッサージアカデミーへM-1(技術取得ビザ)にて留学。 

2015年1月17日、卒業

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