おんぶのお返し
このコロナ禍で私の本業の陶磁器アクセサリー制作は、卸し先の美術館のミュージアムショップなどがほぼクローズ、休眠中となってしまいました。
昨年、ネットで世界の美術館を検索中に、ルクセンブルグアートプライズという新人発掘コンペティションを発見。年齢・国籍・プロ・アマ問わずとの事。70歳の私は年齢問わずに感激し、チャレンジを決意し作品を応募しました。その時の孤軍奮闘の小話をコラム94として以前寄稿いたしました。昨年のタイトルは「さよならウイルス」。ミニの陶磁器花器にヒバスティックを入れてヒバオイルで香りを強調しました。コロナ禍でなければ抗菌の香りとコラボを、などとは思いつかなかったかもしれません。
今年は、昨年の作品よりは小さめですが、コンセプトは同じでヒバの香りがするミニ陶磁器花器、と、和紙のコラジュージュで、“日々是好日”をデザインの中に描き入れてみました。コロナ終息を願いつつ……。
そんなある日娘から、小学一年生女子の孫の1日限りの見守りを頼まれました。図書館や公園へ行ったりし、娘の家に帰宅後はトランプゲームをしたりしているうちに夕方になり、孫が「お腹すいた」と言うので、おにぎりを作っている時に中学三年生の男子の孫が帰宅。親が共稼ぎなので、この孫は家事の手伝いが当たり前になって来ているようです。
急いで米を洗い炊飯器のスイッチを押すと、慌しく風呂場に行き風呂洗いをして湯をはり、お次は家族全員分の布団の用意をしてから、食卓に戻って来ました。
「あとは、僕がいるから、キーちゃん(私の事)は、家に帰っても大丈夫」と。「ありがとう、もうすっかり暗いから、タクシーで帰ろうかな~」と私が言うと、「キーちゃんのところまでなら歩いて20分くらいだから、僕がおんぶして行こうか?」と、言うのです。
あっという間に身長170センチになり、野球部のピッチャーとして日々頑張っているこの子の心身共の成長振りに、私は、ビックリ! すると、小学一年生の孫が、「にいに(お兄ちゃんのこと)、おんぶなんかしていたら、彼女にまちがえられるかもよ。もう、暗くなってきたから」と、クスッと笑いだしました。
2人の会話を聞き、私は久々に大笑いしました。私が、せっせとおんぶをして公園を散歩していた孫が、私をおんぶしてくれるという発言に、心がほっこりしてしまいました。
いまどきのママとパパはほぼ共働き。祖父母が子守を手伝うのも当たり前になりつつあります。
ハワイ留学へ 60代からのユルユラAloha留学 No.104
蒼井 絹子
北海道生まれ。学習院女子短期大学英文科卒業。
1984年「ベルーシの涙は、スニーカーブルース」が、NHK北海道ラジオ創作ドラマで採用
1987~89年 3人の小学生の子供達を連れて渡米。シアトルのグリッフィンカレッジに 留学・卒業。シアトル日本語放送局にて番組を担当
1994年 北海道にて、陶芸工房【G-club】を開設
1997~2001年 北の生活産業デザインコンペにて入選・入賞
2002年 財団法人中小企業総合研究機構会長賞を「マグネット・アート」で受賞
2003年 東京に工房・オフィスを開設
2011年 日本旅行作家協会入会。東京都TASKものづくりコンテストにて奨励賞を受賞
2012年 東京都美術館「東京展」にて「マグネットアート」入選
2014年7月7日より、ハワイマッサージアカデミーへM-1(技術取得ビザ)にて留学
2015年1月17日 同校卒業
2020年12月 著書「人生の“サバティカル”留学」を上梓