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アラ古希からのユルユラAlohaマインド

【アラ古希からのユルユラAlohaマインド】ひとり鍋と「おねえさん」

 11月に入り急に朝夕が肌寒くなり、鍋料理が恋しくなる日が増えてきました。鍋は、材料の食材を沢山入れて家族全員が揃うときに作る料理の一品と思っていました。しかし、最近は個食の時代に……。ひとりで食事を取る若者・単身高齢者が急増してきたためのようです。

 先日スーパーで、ひとり鍋セットコーナーを見つけて嬉しくなりました。キムチ鍋・ちゃんこ鍋・鳥鍋等々と種類もそれなりに揃っていました。なまものと、野菜が仕切られて入っていて、専用の簡単に火にかけられたあとには廃棄できる入れ物にきれいに準備されています。私の分は鳥鍋で、息子の分はモツ鍋と、各自の好みの味を選んで買えるスーパーの小鍋企画に魅かれました。

 何年か前に、シアトルの友人がアメリカ人のご主人と二人で私の住まいがある浅草に来てくれました。「夕食は何が食べたいですか?」と聞きますと、「どじょう」とのご主人の返事で、駒形どじょうへ行きました。彼は日本での駐在時代に何度かそこへ食べに行ったことがあり、江戸を思わせるお店の風情と温かい小鍋料理が忘れられなかったと喜んでくれました。

 浅草には、飯田屋という現在は4代目が引き継いでいる老舗のどじょう屋もあります。私のいきつけの美容院のすぐ近くなので、その暖簾は以前から少し気になっていました。先日思い切って、美容室の帰りの昼ごはんにその「どじょう」の暖簾をくぐってみました。

 「おひとりですか?」と聞かれ、「ひとりです」と答えましたら、二人席へ案内してくれました。掘りこたつになっていたので、畳席でも足を下ろしてくつろげました。骨無しのどじょう鍋を頂きました。鍋が来てガス台に火がつけられ、鍋の底にはごぼうが沢山があり、その上に骨なしどじょうが食べやすい大きさで載っていていました。

 鍋がくつくつと沸いてくるとどじょうの身をひっくり返して両面に火が通ると薄く切った長ネギを沢山入れて秘伝のたれの味が全体にしんなり浸みましたら、ごぼう・どじょう・ねぎを白いごはんに載せていただきました。とっても美味しかったです。

 私達の世代では、ひとりで食事どころへ入ることに慣れていませんでした。

 ひとりでのどじょう屋さん探索はちょっぴり勇気が要りました。が、芸者さんの世界では、たとえ708090歳を過ぎても若いアルバイト芸者さんからも、大先輩の芸者さん達は「おねえさん」と呼ばれるそうです。

 ひとり鍋も昼間の一杯も似合う元気な「おねえさん」に、私も成長していきたくなりました。

  これからの人生へ アラ古希からのユルユラAlohaマインド No.120

蒼井 絹子

北海道生まれ。学習院女子短期大学英文科卒業。 

1984年「ベルーシの涙は、スニーカーブルース」が、NHK北海道ラジオ創作ドラマで採用 

1987~89年 3人の小学生の子供達を連れて渡米。シアトルのグリッフィンカレッジに 留学・卒業。シアトル日本語放送局にて番組を担当 

1994年 北海道にて、陶芸工房【G-club】を開設 

1997~2001年 北の生活産業デザインコンペにて入選・入賞 

2002年 財団法人中小企業総合研究機構会長賞を「マグネット・アート」で受賞 

2003年 東京に工房・オフィスを開設 

2011年 日本旅行作家協会入会。東京都TASKものづくりコンテストにて奨励賞を受賞 

2012年 東京都美術館「東京展」にて「マグネットアート」入選 

2014年7月7日より、ハワイマッサージアカデミーへM-1(技術取得ビザ)にて留学 

2015年1月17日 同校卒業 

2020年12月 著書「人生の“サバティカル”留学」を上梓

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