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デジタル版・新聞

コラム 旅は呼んでいる 加西来夏

トルコ周遊

旅は呼んでいる

カッパドキア

 トルコ周遊8日間¥59800ーイスタンブールにしか立ち寄ったことがない自分にとって、魅力的旅程かつ破格の安さだった。当時国内でテロが相次ぐ中、『観光エリアは安全です』というPR価格なのだと後にガイドから聞いて納得した。

 心の底から感動する瞬間は、人生で何度あるだろう。高所恐怖症気味なので悩んだが、カッパドキアで気球に乗って眺めた景色は一生もの!地上600mまで上昇すると目の前には無数のカラフルな気球が、眼下には摩訶不思議な奇岩地形が広がり息を飲む。まるで別世界に来たような絶景で、幻想的だった。

 白い石灰棚に美しいアクアブルーの水が湛えられた様が有名なパムッカレ。写真を見て実際に行くとがっかりすると言われるが、近くに建設したホテルにその水を引いたせいで水量が減り、描いていたイメージと違うというのが実態だ。しかし、風変わりな景色はやはり綺麗だし、足湯のように素足で中に入ることができ、ツルツルした石灰をダイレクトに感じられ貴重な体験が出来た。

エフェソス

 また、世界三大図書館の一つだったエフェソスのセルシウス図書館跡は、ローマのコロッセオやアテネのパルテノン神殿と同じく、当時はどんな姿をしていたのだろう、失われてしまった蔵書にはどんな物語や知識が書かれていたのだろう、と想像が膨らんだ。

イスラム美術

コンヤにあるメヴラーナ博物館では、装飾されたアラビア文字の書物や霊廟、宝石で彩られた短刀など普段なかなか見る機会のないイスラム美術の華やかさに魅了された。土産屋でも、色合いやアラベスク模様が素敵でひと目惚れした絨毯があり、トルコ絨毯は他と比べて丈夫で親から代々受け継いで使えると説明があったものの、少々値段が高く諦めた。帰国後写真を見返して、やはり購入すれば良かったと後悔…。

 1890年に紀伊半島沖でトルコの船が座礁した際、日本が救援したのをきっかけに両国間では友好関係が続いている。その経緯は映画“海難1890”に描かれており、トルコという国、人々にとても親近感が湧く内容なのでオススメ。

●加西 来夏 (かさい らいか)

訪問39ヵ国、好きな言葉は「世界は驚きと奇跡に満ちている」/今、普段出来ないことに挑戦してる方も多いと思います。私は念願のスケボーを買いました!届くのが楽しみです。


(日刊サン 2020.5.15)

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