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ウイスコンシンで独り言 コンピュータのファイルを失くして思ったこと
ウイスコンシンで独り言 コンピュータのファイルを失くして思ったこと
以前から恐れていたことが、起こってしまった。コンピュータにいっぱい記録されていたものが、すべて消えてしまったのだ。古い記録はUSBに貯蔵してあったが、最近の記録はうっかりコンピュータにしか残してなかった。
「大したことない」「大丈夫」と自分に何度も言い聞かせてみたが、夜寝つきが悪くなった。何となく落ち着かなくなり、もやもやした気持ちが抜けないようになった。たかがコンピュータに残した記録。コンピュータ自体は壊れたわけではなく、コンピュータの記録が消えてしまっただけ。もう仕事しているわけでもないし、インターネットは見られるので、また時間かけてファイルを再現すればいいのだ。
でもそのファイルには最近読んだ新聞記事とか、いろんな税金や健康なんかを含む日常の記録、散歩や遠出した際の写真など。毎日コンピュータの前で過ごし、毎日少しづついろんな書き込みをしてきた。大げさな言い方だけど、自分の一部分を失ったような感じがする。
それでいろいろ考えた挙句、専門家に修理を頼むことにした。コンピュータに残した記録したものは大したものではないが、自分が毎日少しづつ時間をかけてたものなので、そうした時間を元通りに回復できるなら、ある程度お金を払ってもいいと思った。それであるコンピュータの専門家に遠隔操作で一時間ほど見てもらったが、どうやら自分がいろいろいじっている内に、うかつにもすべてのファイルを消去してしまったらしく、再生はできないと言われた。がっかりではあったが、専門家からそう言われたので納得がいった。
コンピュータを移動中に落としたり、飲物をうっかりこぼしったり、突然理由もなく壊れた話を時折聞く。携帯電話でも、うっかりトイレなどに落としたとか、外出先でうっかり置き忘れることも。そんな時、失くしたご本人は大変な思いをするんだろうと容易に想像がつく。
それにしても、コンピュータにしても、携帯電話にしても、ちょっと以前には今ほどそうした機器に依存していなかったなあって思う。便利であればあるほど、それが使えない時、精神的に落ち込んだり、自分の生活に不便が生じるという、信じられないことが起きてる。
自分は以前から今のコンピュータの調子が悪かったので、控えにもう一つ買ってあった。これからは万が一のため、毎日交互に使った方がいいのかもしれない。それとも……あんまりこうした物をに依存しない方がいいのかもしれない。そんなことを思う今日この頃である。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.88
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
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