結婚式は誰のため?
先日甥(妻の妹の子供)の結婚式があった。280人ほどの招待客があり、遠くはフロリダとかニューヨークとかアリゾナから来る親戚もあって盛大でにぎやかな結婚式となった。これだけ招待客が多い結婚式となると日程とか会場探しや、式の準備のため式場とか花婿花嫁の両家の調整なども大変だし、式の役割分担、衣装合わせ、リハーサル、会場での飾りつけなど親が大きく関わっていたようで、話を聞いているだけで疲れる。まさに一年越しの大行事だった。
そんな苦労話を妹から聞かされて、親って大変って思うとともに、一体結婚式って誰のためのものかも考えさせられた。
結婚式はした方がいいか?
この世の中で結婚式をしない人よりする人の方が圧倒的に多いと思うけど、自分達の場合は初婚ではあっても高齢(36歳と34歳)だったし、「今さらこの歳で」としない選択もあった。それと、自分には母親しかいなく、その母親も式にでられるような状態ではなかった。仮にするにしても「つつましく」したいと思っていたが、いろいろ話を進めていくうちに、少しづつ式の形が変わっていった。ただ、先日の甥の結婚式のように、妻の両親への相談はせず、親の意向は全く入っていなかった。
自分達の結婚式
日本での結婚式をした私達は、会場選びから招待状とか準備はすべて自分達でして、当日の披露宴では業者にいくつかすしとかの食べ物の屋台を出してもらった以外は写真撮影やら、式場での花や結婚式用のケーキなど会場準備は友人が助けてくれた。式の後の披露宴も友人が日英両語で司会進行をしてくれ、手品や日本舞踊やオルガン演奏で盛り上げてもらったりして、無事結婚式を終えたつもりでいた。ただ、後で振り返ってみると正式の家族写真などなく、その時は何も思わなかったが、妻の両親にはどう思われたのだろうか? 何十年もして両親と近い年齢になってから不安になった。
後悔
今回の甥の結婚式では、両家の両親などが深く関わっての結婚式に比べて自分達のものはあまりにも違っていた。長いこと自分達での手作りの結婚式って思っていたけど、妻の両親には随分居心地の悪いものだったろうと思う。結婚式って結婚する本人も大切だけど、祝ってくれる家族とか周りの人達の気持ちとか協力も大切と思う。後に自分達はウイスコンシンへ寄って、妻の両親から親類を集めての披露宴をしてもらった。あれで両親は少しは気がすんだのだろうか?
先日の甥の結婚式では両家の両親の意向が強く出ていて、見方によっては誰の結婚式がわからないような気もしたが、育ててくれた親の気持ちも大切だ。親がついつい張り切ってしまうのはわかるようなきがする。その点で自分は昔、祝ってもらう人たちへの配慮が欠けていたと思う。先日の結婚式での幸せそうな新郎新婦を見ながら、後悔とともに反省をしていた。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.102
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
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