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Study in Hawaii

Study in Hawaii|ハワイで学ぶ 英語を学ぶために読むべき絵本

お子さんがハワイの学校に通っている、自身がロミロミなどの資格取得をめざしている…小中学校から大学、専門学校と、ハワイの教育機関は実に多彩。日刊サンではバイリンガル教育をはじめとする、“学び”の特集をしています。

 

 

 3月2日はDr. Seussのバースデー

 今週の月曜日、3月2日は『Cat in the Hat』などで知られるアメリカ絵本作家Dr. Seussの誕生日。

 小さなお子様がいるアメリカのご家庭だと書棚に1冊は置かれているだろう。数々のベストセラーを描いたDr.Seuss(ドクター・スース)ことセオドア・スース・カイゼル。今週は彼の誕生日をお祝いする1週間であった。

 

 Dr. Seussの誕生日当日3月2日は、National Read Across America Day(全国読書デー)として、小さな子どもたちに「本を読もう!」と促す日。この1週間はプリスクール、キンダーガーテン、そして小学校の低学年生は、ドクター・スースの本を読むことを推奨され、家から毎日本1冊を手にして学校に行く。学校によっては読み聞かせやクラフト作りなどのプログラムが開かれる。月曜から金曜までの1週間、毎日テーマを決め、ドレスアップをしたり、コスチュームプレイを楽しんだりしながら、毎日ドクター・スースの誕生日を祝うのだ。例えば変わった髪形にしてくる日、左右色違いのへんな靴下をはいてくる日、へんてこな帽子をかぶってくる日など。ランチメニューもこの週だけは一風変わったものが登場。「Green eggs and Hamの日」というのだが、これも本のタイトルからとられている。

 

 Dr. Seussの絵本はなぜそれだけ認められるのか。それは、Phonics(フォニックス)入門に最適とされているからだ。脚韻を何度も何度も踏むライミング。似た音の単語をつなげたり、意味が似た言葉、反対の言葉をつなげたりしながら繰り返し言葉を重ねていく。その短文がドクター・スースの特徴なのだ。『Cat in the Hat』は音やリズムが身につくように厳選した、母音を一つだけ含む223語の単語を使って作られた。この文章は読んだときにリズム感があり言語教育にとても役立つと、繰り返し何度も何度も読む。イラストも赤や青、緑に黄色、白などのカラー、そして1つ、2つ、3つなどの数、そして、大きい小さいなど、子どもたちにとってわかりやすい内容が繰り返される。

 

 ドクター・スースは1904年、マサチューセッツ州生まれ。アイビーリーグのダートマス大学に入学し、サークルでは風刺画や短編漫画を手掛けた。卒業後、広告制作会社に勤務し広告制作やイラストを担当。殺虫剤を商材としたために、その頃から、絵本に登場するような虫や生物を多く描いていたそうだ。

 

 オックスフォード大学に留学したころから歴史学者を目指し、一方で漫画雑誌に寄稿をはじめている。1943年に発表した『And to Think That I Saw it on Mulberry Street(マルベリーどおりの不思議なできごと)』で絵本作家としてデビューし、以後46作を発表した。1954年当時、子どもたちの識字率の低さの理由は「学校の単語教育のつまらなさ」だと、子どもたちのために面白い英単語が学べるよう工夫をする。1957年発表の幼児向け絵本『Cat in the Hat』から数人の作家とともに『Beginner Books』をスタート。これが全米で注目を集め、単語教育に大きく貢献し、Cat in the Hatの猫、象のホートン、いじわるグリンチ、The Lolaxなど、多くのキャラクターも生み出した。そして、1980年にローラ・インガルス・ワイルダー賞、1984年にはピューリッツァー賞特別賞を受賞した。

 

「フォニックス」で発音のルールを学ぶことで、英語の7割の単語が、その単語を知らなくても読めるようになると言われている。英語には日本語には無い特有の音がある。日本人には同じように聞こえてしまう「L」と「R」の発音は代表的な例。大人になってからこの音の違いを分かろうとしてもなかなか難しいが、幼少時に「フォニックス」を学ぶことで、文字の持つ正しい音を正確に習得することができ、正しい音がわかれば正しく書くこともできるようになる。我々外国人居住者も、Dr. Seussの絵本を読むと、英語力上達につながるかもしれない。まだ読んだことがないのなら、子どもたちだけに読ませるのではなく、大人もぜひ一読を。 

 

(取材・文 鶴丸貴敏)

 

(日刊サン 2020.3.6)

 

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