ママのための教え方、学び方 Vol.3
コロナの休校でゲーム三昧、というご家庭は多いですね。だまっているとどこまでも遊び続ける・・・はたして放っておいてもいいものか? 迷われているかもしれませんね。
ひとつ注意していただきたいのは、それが「依存」の場合です。どんなことよりもゲームを優先し、取り上げることで親子関係がまずくなるような傾向があればお子さんの心の状態をウォッチしてあげましょう。依存とは、それがなければ心の安定が保てない状態です。
依存がおこるのは、子どもたちの心の器に「自信」が不足しているとき。オンラインゲームの世界では、子どもたちは批評されたり、存在を否定されることがありません。確実に子供たちを受け入れる、オンラインゲームは遊びである以上に、心の逃げ場「オアシス」なのです。
子どもが依存しているときに注意したいことは、いきなりすべてを取り上げてしまわないこと。心の行き場を失った子供たちは、なにがなんでも(だましてでも、力ずくでも)取り返そうとしたり、新たな依存の場を求めるようになることも。
何より大切なことは、ゲーム以外の世界で「自信の泉」を見つけること。といっても、他人よりできる何かを特別にもっていなければならないわけではありません。子どもが、自分の存在自体に価値と自信を感じることが必要なのです。すると、何をやるにも(根拠がなくても!)、自信を持つのが上手になります。初めてのことはできなくても当たり前!だから怖くない!慣れてないだけ!そう、できないことがいっぱいでも堂々としていられるのです。
「自信の泉」をもつには、親御さんの存在が大きい役割をします。まずは親御さんが、子どもの存在を絶対的に認めてあげること、です。「えー!注意したいことだらけで無理!」とおっしゃらずに…(笑)そんなとき、魔法のような方法があります。
この子のお母さん(お父さん)でいられて最高に私は幸せだ!と「心から」感じて、言葉につぶやいてみてください。
そして優秀だろうがそうでなかろうが、言うことを聞こうが、生意気を言おうが…愛おしいと思うその瞬間を最大に感じることです。心と体は一体です。親御さんたちが思うことは、自然に行動、態度にあふれ出て、流れる水のように子どもたちに伝わっていきます。
ここまでくれば、あとは家族会議でゲームとどう付き合うかをしっかり話し合いましょう。今いちばん大切と思うことは何か、それは優先できているか。ゲームをする条件や時間はどうするか。親と子どもの提案は、中国とアメリカより噛み合わないかもしれませんが、親も子も互いに理由を主張しつつも、聞く耳をしっかりもって、頭ごなしではない話し合いの場をもつことが、家族の絆をより深めることと思います。
(日刊サン 2020.4.10)
大野 奈津
オンラインを通じて、世界中の小中学生に勉強を教える個別指導塾YEAH MATH!を運営。モンテッソーリ教育の小学生年次向け指導資格取得、脳科学、心理学によるコミュニケーション法(NLP)でのカウンセリング、コーチングを学び、ご家庭のサポートもしています。