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【年金|国籍よろず相談】国民年金のWEP誤適用是正活動の現況
日本の年金受給者が米国年金を受給すると、米国年金の一部が毎月減額されます。これはWEP(Windfall Elimination Provision)というSSA(米国社会保障庁)の規定に依るものです。
ここで問題になるのは、WEPの規定に依れば国民年金は明らかにWEPの対象外です。WEPの国民年金に対する誤適用が改正されれば年金受給者にとり大きな福音となります。20211年のWEPの最大減額金額は512ドルです。この金額は毎年増えており、昨年は498ドルでした。
私がWEPの存在を知ったのはNY総領事館に領事ボランティアとして勤務していた2006年のときで、2005年10月、日米社会保障協定が締結された翌年のことでした。
それ以降、WEPの存在についての広報活動を開始しました。WEPの国民年金誤適用解消に取り組んだのは2016年秋からでした。
これまでWEP誤適用に対する是正活動のため、米国各地で講演会を開催したり、電話、メールによる相談を受けて参りました。コロナ禍になり、訪米が出来なくなったため、WebinarでWEP問題等のテーマで講演を開催しています。また、皆さんのご協力により、誤適用早期解決の嘆願書をSSAや在米日本大使館宛に提出したりしました。
昨年からは、ワシントンの在米日本大使館と当該問題の早期解決のための定期的ミーテイングが開始され、またSSAとのレターのやり取りによる問題解決への取り組みを行っております。
今年に入り届いた嬉しいニュースとしては、米日コーカス(米議会における唯一の正式な対日議連)米議会の共同議長、Joaquin Castro下院議員(民・テキサス州)、及びAdrian Smith下院議員(共・ネブラスカ州))から、Kilolo Kijakazi社会保険庁(SSA)長官宛に本年1月27日付で、「米国年金に関するWEPの適用と国民年金の扱い」との表題で、“SSAが誤適用問題を何年も未解決のままにしていることを懸念しており、その検討を加速させることを要請する”趣旨のレターが出されたことです。このレターを受けてSSAが誤適用の早期解決につながる契機になることを、皆さんと共に大いに期待したいと思います。
米日コーカスは、貿易投資、安全保障、地域の安定、軍事面での協力、エネルギー、技術開発、環境をはじめとする日米両国が共通の関心を有する課題について二国間協力を推進することを目的とする米国連邦議会における議員連盟です。2014年3月に設立され,現在Joaquin Castro下院議員及びAdrian Smith下院議員が共同議長を務めています。
今後とも、皆さんと共に“誤適用早期解消”の活動を続けて参りますので、引き続きご支援を宜しくお願い申し上げます。
市川俊治
民間企業勤務後、外務省改革の一環として始まった領事シニアボランティア制度の第1期生としてNY更にSF総領事館に合計6年間勤務。その官と民の経験・知識を基に海外在住者の年金・国籍・老後の日本帰国の問題のアドバイスを行っている。
海外年金相談センター
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