年金に関する3つのトピック
今回は関心の高いトピック3点を取り上げます。コロナ禍で日本に帰国を検討される方も増えているようですが、(1)はそれに関連してのテーマです。
(1)米国の年金を日本で受け取るための手続き
日本帰国後、米国年金の登録住所及び日本の銀行口座への振込先変更手続きを行います。
①住所変更は、FormSSA-21
②振込先を変更する場合はFormSSA-1199-JAでいずれも「連邦年金課」に郵送します。
郵送先:〒107−8420 東京都港区赤坂 1−10−5 在日米国大使館連邦年金課
又は「連邦年金課」にメール・電話で手続きがケースにより可能。必要な情報:住所、SSN、振込先銀行口座情報(銀行名、銀行コード、支店番号、口座 番号、口座の種類(普通、当座)
なお、日本帰国に伴いMedicareを脱退希望の場合は「連邦年金課」に申し入れれば対応してくれます。
問い合わせ先:米国大使館領事部「連邦年金課」(電話 03-3224-5000 火・木曜日 9 ~12時 メール:[email protected])日本語可能。ただし、電話はなかなか通じませんのでメールがお勧めです。
(2)配偶者は、本人とは別に本人の半額の米国年金を受け取れる
日本と米国の年金制度を比べると、当然ながら類似点もありますし相違点もあります。その中で米国年金の場合、一番驚かれ喜ばれることは年金受給者の配偶者の方にも年金が支給されしかも年金額が受給者の半分ももらえるということです。
年金受給者のAさんは現在の標準退職年齢(NRA Normal Retirement Age)である66歳から年金月額$1,000の年金を受け取り始めました。その時点でAさんの奥さまは年齢が63歳。標準退職年齢までそれから3年待って66歳から受け取りを開始すれば$500の年金が終生受け取れることになります。ですからAさんのご家族としては$1500の年金がその後毎月受け取れることになります。奥さまの年金受給手続きは年金の加入者であるAさんの手続き後、基本的に個別にする必要がありますのでご注意ください。
(3)離婚していても元配偶者の年金の半分の受給可能
離婚していても婚姻期間が10年以上あれば、元配偶者の年金の半分の受給資格があります。年金を受給する条件は、
①受給者との10年以上の婚姻関係
②62歳以上で受給開始時に独身であること
受給後再婚したらその結婚が終了(死別、離別、取り消し)しない限り年金を受け取ることが出来ません。また離婚した元配偶者が遺族年金を受給する条件は、①受給者と10年以上の婚姻関係があったこと②60歳以上で受給開始時に独身であることです。
No. 87
市川俊治
民間企業勤務後、外務省改革の一環として始まった領事シニアボランティア制度の第1期生としてNY更にSF総領事館に合計6年間勤務。その官と民の経験・知識を基に海外在住者の年金・国籍・老後の日本帰国の問題のアドバイスを行っている。
海外年金相談センター
〒162-0067東京都新宿区富久町15番1-2711号
電話/FAX:03-3226-3240
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