ヨガのポーズが教えてくれること
シャヴァアーサナ編
みなさま、アロハ! 3月になりましたね。日本では、だんだん花粉症に悩まされる頃でしょうか。季節の変化によって体調や心の状態も変化しますので、今の自分の身体や心の状態をよく観察なさってくださいね。
さて、今日はヨガでいうシャヴァアーサナは何のポーズなのかについて考えてみましょう。日本語では、屍のポーズとも言うポーズです。どんなポーズって?マットに仰向けになって目をつぶるポーズです。
シャヴァアーサナをしていると言わなければ、ただ仰向けになって寝転んでいるだけに見えますね。ヨガのクラスに参加したことのない方も、ベッドやビーチマットの上など、どこかでやったことのあるポーズではないでしょうか。
実は、このポーズ、放棄の法則を実践しているポーズなんです。放棄の法則とは、物質的に何かを得ることに執着するのをやめることで起きる、変化を示す法則です。ここで言う法則というのは、結果への執着を差します。結果に縛られない行動は、今やるべきことに集中する行為とも言い換えられます。ですので、やるべきことを放棄することとは異なります。
シャバアーサでは、先生から「全身の体の力を抜いて」とか「呼吸を手放して」などと言われることがあります。シャヴァアーサナは、まさに、いろいろな物を手放すことが目的のポーズです。ヨガのクラスに参加している場合は、練習の結果を手放して、ポーズの完成度やそこから得られる成果に執着しないことを目的に行っています。
そうすることによって、身体が持つ本来の知恵に練習の結果を委ねることができるんですよ。結果を委ねることによって、平和や調和がもたらされ、心そのものが必要としている物やことに導かれます。何かの「意図」を持った行為は、たいていの場合一定の思考の型にはまっているので、結果も限定的になりがちです。
放棄することは、内なる自分の力を信じることによって可能になります。本当に必要な物は、いつも自分の心の中にあります。ですから、自分の身体や心の声を聞くことのできる生活が、私たちには必要なのです。
季節の変わり目は、特に体調や心の状態も変化しやすくなりますので、この時期にちょっと試して見るのもいいですね。シャヴァアーサナは、寝た状態で身体や心の観察をするポーズですので、ある程度静かな場所であれば、どこでもできます。寝る前に、少しだけシャヴァアーサナをしてみませんか。
幸せ修行 No.217
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。