海外にいる日本人って、結構現地の物を食べるようになっているのでしょうか? 私は緑茶をほとんど飲まないし、ごはんもあまり食べません。どの程度、日本の物を食べるかは、一緒に生活する人が関係するし、その人の住む地域の事情やどの程度日本の物が恋しいかなどでいろいろであろうとは思います。
それでQuoraというサイトで「外国へ行ったら、主に現地の食べ物を食べていますか?」と尋ねてみると、ある人(Aさん)がメキシコに住んでいた時に現地の人のように肉類中心の生活をしてて、たまたま出会った日本人から日本の食べ物をごちそうになり、とてもおいしく感じられたと言われていました。
食物アレルギーが日本食で治る
またAさんは世界中あちこちで生活されたようで、ドイツに居た時には現地の人のような食べ物を食べている内に「食物アレルギー」になったようで、体がなじんでいるみそ汁とごはんがいいと悟ったようです。
またAさんの友人で、ドイツ人男性と結婚した日本人女性が、現地の習慣に従い、現地の食事をずっとしていたところ、うつ病になりました。それで、いろいろお医者さんに診てもらったのですが、原因がわかりませんでした。帰国した際に日本のお医者さんに診てもらったところ、「ごはんを食べなさい」と言われ、ごはんを食べると内臓の調子もよくなり、精神状態も安定してきたそうです。
スペインでの思い出
それを聞いた時、自分の似たような経験を思い出しました。30年ちょっと前に、私と妻はヨーロッパを3か月ほど貧乏旅行をしたことがありました。その時、行く先々での現地の食べ物を食べていましたが、毎日慣れない物ばかり食べていたためか、お腹の調子が悪くなりました。段々その状態が悪くなってきたので、スペインでたまたま通った日本料理店に入り、コロッケ定食を食べました。久しぶりのごはんとみそ汁。それと日本のコロッケ。揚げたてのコロッケはまさしく日本の味でした。その後、お腹の調子が幾分よくなったような気がしました。私はその時に「お腹にやさしい」っていう言葉の意味を知った気がして、日本の食べ物が自分には合うのだと思いました。
パラグアイに住む日本人
このAさんは今パラグアイにいらっしゃいます。Aさんの住む地域には1960年頃に入植した日本人が何千人といて、農業で成功している人が多いとのことです。それでその現地の農協には数か月ごとに日本の食料が入荷されます。それを村の人達は事前に知っていて、そうした入荷されたみそ、しょうゆなどの日本の物はあっという間になくなるそうです。
日本から見ると地球の裏側のような場所で日本の食材を待っている人達がいるのですね。この世界中には日本人があまりいない所で生活する日本人もいます。その人達がどのような生活をしているかということに、とても興味があります。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.116
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
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