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コラム とどけMahalo! アメリカ本土便り

ウイスコンシンで独り言 子供の外出

 今年日本へ帰国た折に、妻と私の二人は京都に日帰り旅行をしました。そしてバスで金閣寺に向かっていた時、小学校低学年とみられる小さな女の子が二人小さな手提げ袋を持って、バスに乗ってきました。これから何かの習い事に向かうところか? それとも何かの教室を終えて帰宅するところだったのでしょうか? 周りは大人ばかりの中にそんな小さな小学生が親の付き添いもなくいると目立ちます。

 自分の孫でも見るようにその小学生をみつめていると、妻が「アメリカじゃありえないね」って思わずつぶやきました。そういえば、私達が住むウイスコンシンの町では小さな子供だけで歩いているなどということはありえないであろうし、メキシコ(ユカタン半島)でだってそんなことはなかった気がします。

 でも、日本では小さな子供が電車を乗り継いて通学などするなどの動画をYouTubeでみたことがあるので、日本では珍しい光景ではないのでしょう。

アメリカ人もびっくり

 こうした日本の子供が一人で外出したり、通学していることを日本に住むアメリカ人の子供を持つ親はとても驚くようです。アメリカ人だけでなく、他の外国人でもそう感じるのかもしれません。ウイスコンシンの私達の近所では自分の家の庭ですら、親の監視なしでは遊ばせなかったりします。最近のアメリカではハロウィンで近所に子供が連れ合って親と一緒にお菓子を貰いに行くことすらあるご時世です。

 ちょっと古い話ですが、30年前に私はハワイの日本人学校(レインボー学園)でお手伝いをしていましたが、子供達が自分達だけで登下校することはなく、親の送迎が義務となっていました。同学園の他島への修学旅行に同行したこともありますが、他島からホノルル空港に帰った際に迎えが来ない家庭が数人あって、私がその子供達の親の迎えが来るまで一緒に待った記憶があります。今なら携帯電話で連絡も楽だったでしょうが、その時代はひたすら生徒の家族の迎えを待ちました。

やっぱり日本は安全でいい国

 私が小学生だった60年前は田舎の学校でしたが、親が子供を学校に同行するのではなく、近所の子供達が集まって集団登校をしていました。日本では「鍵っ子」なる小さな子供が家に帰ると大人がいなくて子供だけなどということもありました。アメリカではこうしたことは許されないと思いますが、あるサイトで日本は「世界で安全な国」の順位でアイスランドやニュージーランドやアイルランドなどに次ぐ安全な国の10位に入っています。

 時折日本に帰って、小さな子供が一人でバスの乗り降りしたり、公園で楽しそうに遊んでいる光景を見ると、子を持つ親が安心して子供の外出がさせられる「安全な国なんだ」って改めて誇りに思ったりします。

 京都の金閣寺へ行く途中のバスでの光景から日本の良さを感じて、ここに書いてみたいと思いました。

とどけMahalo! アメリカ本土便り No.159

大井貞二(おおいさだじ)

1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。

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