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コラム とどけMahalo! アメリカ本土便り

ウイスコンシンで独り言 ラウンドアバウト(環状交差点)

 最近私の住むウイスコンシンの町ではラウンドアバウト(環状交差点)と呼ばれる交差点が増えています。このラウンドアバウトは交差点の真ん中が島のように少し高くなっていて、車両はぐるっと回って自分の行きたい方向へ出て行く仕組みになっています。最初にウイスコンシンに導入されたのは今から20年ほど前の1999年でした。

 それがいつしか州内で457箇所(2022年)とあちこちに見られるようになりました。知人の中には、こうした交差点で戸惑ってしまうので、ラウンドアバウトを避けている人もいます。実は私自身も通る時にはちょっと緊張するし、交通量が多くて避けたいところもあります。

ラウンドアバウトの利点

 アメリカでこうした方式が採用され出した理由は、信号がないので、交差点内に車がいなければ停止することなく、ゆっくり運行して移動できるので、交通がスムーズになることが考えられます。それに、ラウンドアバウトでは速度を落とさなくてはならないので、すべての車両を交差点内で安全速度で通過させることができますね。

またさまざまな調査から普通の信号機のある交差点と比較して車両同士の衝突事故が少なく、万が一事故が起こっても比較的軽微なものになることが指摘されています。

ちょっと怖いラウンドアバウト

 では現実にハワイの人達がラウンドアバウトを利用するとなるとどんな感じがするのでしょうか? これは私の想像ですが、ちょうどウイスコンシンの多くの年配者が感じるように、侵入するときの素早い対応への戸惑いや、慣れないことへの緊張感だと思うのです。交通量はいつも同じではないし、天候で道路状況は変わるし、急いでいるドライバーがいたり、素早く運転する人もいるので、そういった人と合わせなくてはいけませんね。

 時々二車線あるラウンドアバウトの内側に入ってしまうと、グルグル回ってしまったり、内側車線にいると意図しない出口に出なくてはならないことがあります。速い速度で回るドライバーがいる反面、慣れないドライバーがゆっくり回ることもあるので、事故にならないまでもヒヤリとしたり、イライラすることはあると思われます。私の場合一度大きなトレーラーが無理やり侵入してきて、あわや事故になる経験をしたことがありました。

 このラウンドアバウトはハワイ州でも2012年にマウイに、2015年にはカウアイ、そして2016年にはハワイ島で実験的に導入されているので、今後徐々にハワイ州でも増えていくかもしれません。とにかく、アメリカ本土に旅行してこうしたラウンドアバウトに出くわしたら落ち着いて、出口を確認して何回もグルグル回らないようにしましょう。それでも、そんな経験もあとで楽しい思い出になるかもしれません

とどけMahalo! アメリカ本土便り No.146

大井貞二(おおいさだじ)

1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。

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