ある古生物学者によれば、2025年頃にはニワトリの遺伝子を操作し、なかば先祖返りのような形で恐竜を再現した“チキンザウルス”が産まれる可能性があるという。
中米、イスラ・ヌブラル島にあった恐竜テーマパーク“ジュラシック・ワールド”崩壊後、島の火山噴火による再度の恐竜絶滅を危惧した救出活動から4年。紆余曲折を経てクローン技術で生まれた少女メイジーにより様々な恐竜が世界中に解き放たれた。かつてパークにいたヴェロキラプトルの世話係オーウェンや管理責任者だったクレアは彼らの保護を行いつつ、これまでの生態系が壊れる懸念を抱えていたところ、なんとヴェロキラプトルのブルーに子供が出来る。本来有り得ない単性生殖の成功例に目をつけた遺伝子研究会社バイオシンは、ブルーの子供と一緒にメイジーまでも研究対象にしようと誘拐する。
飛行機に乗ればケツァルコアトルスやプテラノドン(翼竜)とバードストライク、船に乗ればクジラほどの大きさで凶暴なモササウルスと衝突。いくら恐竜好きでもさすがに共生は無理だ…1作目から早や30年、まさか人類にこんな厄災が降りかかるとは。よりによって自分の苦手な昆虫が暴れ回る様子も重なり、現実なら卒倒もので黙示録さながら。内容自体は過去作を想起させる場面も多く斬新さは少なかったものの、近年の研究から導き出された羽毛を持った恐竜が登場、格好いいビジュアルで期待を裏切らない。また、鋭く大きな3本爪を持つテリジノサウルスや名前の通り巨体のギガノトサウルスなど新しい面々も。もちろん、人間側もオーウェンのバイクアクションをはじめ、懐かしいあのカップルの関係も見どころ。
もともと恐竜の復元にあたり、勝手に増えないよう雌しか創造していなかったはずが、遺伝子に変異が起き繁殖してしまう。さらに、かつて寒冷期のせいで絶滅したとされる恐竜が雪の降る環境に適応するーそう、生物は予期せぬ進化を遂げるものなのだ。実現間近のチキンザウルスにも一抹の不安がよぎる。
●加西 来夏 (かさい らいか)
映画は年間100本以上視聴、訪問国は39ヵ国~の旅する映画ラヴァー/以前例の昆虫を煮付けで食べましたが、半べそでした。食糧難が起きても映画のようなサイズが作られないことを祈ります。
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