日本中が熱狂した自国開催の2019年のラグビーW杯からはや4年。途中コロナ禍の影響で、国際試合の中止などもありましたが、来月9月8日にはフランスを舞台にいよいよ4年に1度のラグビーW杯が開幕します。
この2カ月、日本代表は最終メンバーへの生き残りをかけ国内で強化試合を5試合行いました。熊本、札幌、大阪と地方での開催が多く、本業が多忙となった私は、取材活動は泣く泣く断念。今回はファン目線で注目選手を紹介します。
早稲田ラガーも健闘
前回のコラムで、最終合宿に召集された日本代表36人中、半数近い17人が海外生まれの選手と紹介しました。貴重な？日本生まれの選手ですが、7月３日からの第２次合宿では46人中、早稲田大出身選手が９人名前を連ねています。海外生まれのフィジカルに長けた選手と肩を並べ、Ｗ杯切符をかけてし烈な生き残りを続けています。若い！期待のワセダ健児です。
注目は若手の4選手
その中でも最終メンバー入りの可能性が高いのが、2大会連続のＷ杯出場を目指すFB（フルバック）の山中亮平、35歳。そして２6歳以下のヤングワセダの4人組で、SH（スクラムハーフ）斎藤直人、CTB（センター）中野将伍、CTB長田智希、さらにFWのLO（ロック）下川甲嗣（かんじ）。つい数年前まで赤黒のジャージを着てプレーしていたフレッシュな4人です。
前回W杯はたった1人
早稲田、明治はともに日本のラグビー界をリードしてきた伝統校ですが、近年は大学選手権9連覇を達成した帝京大が実力では1枚上。前回Ｗ杯では早稲田、明治ともにジャパンのユニホームを着た選手は1人ずつと寂しい限りでした。
最終戦でひと筋の光に
日本代表のＷ杯前の国内最終戦となった8月5日のフィジー戦（秩父宮）では、23歳のＣＴＢ長田が先発出場。絶妙なポジショニングで、タックルに来たフィジー選手を交わすと、トライまであと一歩に迫る独走でビッグゲインを見せ、12－35と完敗した日本に明るい光を灯しました。
先発選手の負傷退場のアクシデントで、前半23分からピッチに立った下川は24歳。福岡県の県立の進学校、修猷館高から早稲田のスポーツ科学部へ。代表合宿に、1段落ちる“日本代表候補”の扱いでチームに帯同してきましたが、突然の出場でも運動量豊富なプレーでアピールしました。
W杯前の国内最終戦は、前半6分の反則で14人での闘いを強いられフィジー相手に惜敗
庶民派な一面も
大卒3年目の下川はリーグワンでは東京・府中市に練習場を持つ東京サンゴリアス（サントリー）に所属。実はこの代表合宿が始まる前日の5月末の日曜日の夕方、近所の京王線駅近くの定食屋の前に並んでいる188センチの大男、下川を発見！ 思わず激励の声をかけましたが、日の丸選手が、しかも合宿前夜にこんな街の定食屋で夕飯を…と庶民派な一面に感激しました。
スクラムからの素早い球出しと、視野の広さを誇る25歳の斎藤は2020年に早稲田が11年ぶりに大学日本一に輝いた時の主将。身長165センチ、はにかんだ笑顔のベビーフェイスの持ち主ですが、ピッチでは眼光鋭くスクラムをさばく司令塔に変身します。
日本代表のスポンサーの三菱地所が建立した「丸の内ラグビー神社」。ゴールポストの形の鳥居をくぐり、私も必勝を祈願！
メンバー発表は15日 頑張れ後輩！
私がホノルルに在住時は、同窓のハワイ稲門会の諸先輩方にお世話になり、年末のクリスマス会では「都の西北～♪」とウクレレを伴奏に歌う校歌に胸を熱くしました。W杯最終メンバー33人の発表は8月15日。一人でも多くの後輩たちが、栄光の桜のジャージを掴むことを願わずにはいられません。
東京・大手町発 マスコミ系働き女子のひとりごと Vol.60
（日刊サン 2023.8.11）
竹下聖（たけしたひじり）
東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。
シェアする
