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コラム マスコミ系働き女子のひとりごと

【竹下聖のラグビーコラム】新年号特別編

日刊サンの読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。2023年の初日の出をハワイで拝む。なんてうらやましいこと。幸せな読者の皆様方、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

秋のラグビーW杯と誕生200年記念

さて、2023年は世界のラグビー界にとってダブルで記念の年です。1823年にイギリス・ラグビー校の「エリス少年」がサッカーの試合中にボールを持ってゴールに走ったのが起源とされるラグビーが誕生し200年。そして4年に1度のラグビーW杯が今年の9月にフランスで開幕するのです。

日本でW杯が開催された2019年のあの熱狂から4年。流行語にもなった「ONE TEAM」のスローガンを掲げ、史上初のベスト8入りを果たした日本は、前大会を超える「ベスト4入り」を目標に掲げます。昨年1011月には世界の強豪に胸を借り6試合の代表戦を行い、11月にはイギリス・フランスへの欧州遠征を敢行しました。

年々選手が大型化するラグビー界。国籍を持たずとも、一定期間居住すればその国の代表になれるラグビーでは、外国出身の選手の存在が欠かせません。NZ出身で高校時代に留学生として来日した前主将のリーチ・マイケルをはじめ、南アフリカ、オーストラリア、トンガ、フィジーの選手が日の丸の下に集まり、9カ月後に迫るW杯に向けてチームを作ります。

日本代表の注目のポジションは?

そんな中、ぜひ注目して頂きたいのは日本人が唯一牙城を守るSH(スクラムハーフ)=背番号『9』のポジションです。身長2メートル越えの大男がいる一方、19W杯のレギュラーで、次大会でも正SH有力候補の流大(ながれゆたか)は身長165センチ。早稲田大時代から注目され、虎視眈々とSHの定位置獲りをうかがう25歳の成長株、斎藤直人も165センチと小柄です。

スクラムから出たボールを瞬時にさばき、鋭いパスでバックスに展開。広い視野と正確なパス、そしてキック力が必要なポジションですが、小さな体格ながら屈強な海外の選手へタックルし、ブレイクダウン(密集)にも絡む。そんな攻守の要のSHは日本選手が歴代活躍するポジションです。

スクラムハーフは日本人の牙城

10月のNZ代表のオールブラックス戦と1112日のイングランド戦では流が先発でしたが、同20日のフランス戦では斎藤が先発。2人は所属のリーグワンの東京サンゴリアス(旧サントリー)でもチームメイト。円熟を迎える流か、若手で勢いのある斎藤か。W杯本番で誰がSHとしてスクラムをさばくか楽しみです。

スクラムから出たボールをさばくSHの斎藤(左)と流。目下し烈な争いを展開

司令塔のスタンドオフも激戦

そして9番のSHと同じく、司令塔の役割を果たす10番のSO(スタンドオフ)は、19年大会で全試合に先発した田村優が最近は代表落ち。11月の欧州遠征のメンバーからも漏れました。グランド中央で15人の選手を束ねる「司令塔」のSOは、朝鮮学校出身として初めて日本代表入りした21歳の李承信(イ・スンシン)、中学までサッカー部で、独特のキックセンスでトリッキーな突破を見せる山沢拓也。そして、国立の鹿児島大卒で教員免許を持つ知性派の中尾隼太にも可能性があり、し烈な争いが続いています。FWBKのつなぎ役の9―10番は、伝統的に日本人選手が起用されており、9月のW杯初戦のチリ戦で先発ジャージを着るのは誰か。目が離せません。

お馴染みのベテラン勢も健在

秋の遠征のメンバー40人を見ると、2019年のW杯を戦った選手は13人。世代交代も進みますが、ドレッドヘアがトレードマークのHO(フッカー)堀江翔太は、36歳と風格を増しまだまだ健在。国内ラグビーリーグ「リーグワン」の昨年のMVPに輝いており、貴重なブースター役として4回目のW杯出場を狙います。

また、笑わない男として一躍人気者となった同じくスクラム1列目のPR(プロップ)稲垣啓太は不動のレギュラーとして日本をけん引。パリコレなど海外でも活躍するモデルの妻・貴子さんと結婚し、夫婦でオリジナルの服飾ブランドを展開するなど、公私で充実ぶりを見せています。

日本のお茶の間では、稲垣が三井住友銀行のCMに、FL姫野和樹がアサヒビールのCMにそして、チーム全体で大正製薬のCMに出演し、ラグビー選手の知名度と人気は上がっています。

秋のW杯本番に注目を

フランスで開幕するラグビーW杯で日本は910日の1次リーグ第1戦のチリ戦を皮切りに、イングランド、サモア、アルゼンチンと戦います。「Brave Blossoms」の愛称の日本が2大会連続で1次リーグを突破し、満開の桜の花を咲かせられるか。そして200年前にラグビーを世に生んだエリス少年の名を冠し、優勝国に贈られる「エリスカップ」がどの国に渡るのか。今年の秋が待ち遠しいです。

昨秋に国内外で6試合を戦った桜のジャージの日本代表。今年秋のW杯に向け、着々と強化が進む

東京・大手町発 マスコミ系働き女子のひとりごと Vol.54

(日刊サン 2023.1.1)

竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。

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