最近の「ところ構わず」の災害発生は、猛暑、かんばつ、洪水、山火事、地震、竜巻、ハリケーンなどに加え、人災も多くなり、日頃の対策も追いつかないと思える程です。しかし、防災用品は備えておくに越したことはなく、一旦、災害が発生した時には欠かせない物があります。飲料水、食料、薬、灯り、情報通信機器などです。今回は、災害時に電気やガスが遮断された状態でも、乾いた新聞紙があれば米を炊ける「魔法の炊飯器」を紹介します。
本来はキャンプ用品として作られた物ですが、本体下部の二つの「焚き口」に、ねじった新聞紙を交互に投入し、着火し、火加減を調整することでおいしいご飯が炊けるのです。販売はタイガー魔法瓶で、10月20日発売の予定です。参考価格は19800円。エネルギーや環境問題への対策として、また、防災グッズとして役立つ「魔法のかまどご飯」なのです。
用意するものは、お米、水、新聞紙(日本の一般的な日曜版1日分)(日刊サンなら土曜日版約2.5部)と着火ライターと軍手くらいです。お米を洗った後、30~40分、浸しておき、この間に新聞紙をねじって棒状にしておきます。
炊き始めは「初めちょろちょろ」で、1分半間隔で、新聞紙を左右交互に投入して、着火ライターで火をつけます。
炊き上げ時には、「中ぱっぱ」で、1分間隔で新聞紙を左右交互に投入して、火力をアップし、炊き上げます。このタイミングは微妙ですが、吹上(蓋が浮き上がりそうになる!)を注意していればわかります。新聞紙は、最後の一枚を残しておきます。
炊き上げから10分後に、最後の新聞紙を投入し燃やし、余分な水分を飛ばします。むらし・たきあがりです。さらに、5分すると炊きあがりです。新聞紙の量ですが、米3合なら、日本の一般的な新聞の日曜版(36ページ?)位のページ枚数あれば良いそうです。
注意点としては、使用中はかまどを持ち運んだり移動しないこと。火気の取り扱いが禁止されている場所では使用しないこと。屋内、テント内、車内など換気の悪いところでは使用しないことなど。最初の2~3回は試しに使ってみて、要領を会得すると、美味しいご飯がいただけます。「はじめちょろちょろ、なかパッパ、そして、炊き上げ、蒸らし」という「かまど炊飯」を思い出して、「いつものご飯が、もしものご飯になる」ということでしょう。
No.350
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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