コールドブリュー 水出しコーヒーをたった5分で
テレワークや外出自粛などで、自宅で過ごす時間が増えました。インターネット端末やスマートフォンのモニター画面と取り組みながら、適当にスナックをつまんだり喉をうるおすことも多く、オンライン会議などでも「相手に見えないように」コーヒーを飲んだりする人も多くいます。
さて、テレワーク中の飲み物としては、やはりコーヒーが一番でしょうが、ホットコーヒーは1日何十杯も飲むわけにはいきません。「熱湯」で抽出するホットコーヒーは、カフェインやタンニンの作用が強く、苦味やエグ味があるからです。最近は、余程のコーヒー好きはともかく、まろやかですっきりした口当たりの「水出しコーヒー」を好む人が増えました。低カフェインのコーヒーとして大人気です。
コーヒーは温度が熱ければ熱いほど、抽出速度は早く、抽出成分量も増えます。しかし「水出しコーヒー(コールドブリュー)」は低温の水を使うので、できあがるまで長時間(7~8時間以上)かかること、多めのコーヒー豆を消費することが難点でした。国内外で、電動式ポンプで水流を繰り返し循環させてドリップを早めるコーヒーメーカー(例えば、ハリオやリヴィーズ)が考案されました。抽出時間が大幅に改善され、概ね20分程度でできあがるようになったのです。
これでも画期的ですが、朝のように「忙しい時の20分」というのは「まだまだ不十分」だとして、なんとたった5分で「水出しコーヒー」ができる製品が出たのです。
日本の「グリーンハウス社」から2021年6月に発売された「コールドブリュー・コーヒーメーカーGH-CBCMAシリーズ」がそれです。ポンプによる循環だけではなく、フィルター水流に加圧・減圧を繰り返す「真空抽出技術」を採用したのです。
水出しコーヒーの作り方は簡単で、コンテナ容器部に挽いた豆を45グラム程入れて、フィルター部に取り付け、500mlの常温の水をいれたケトル部とともに、本体にセットします。電源をオンにして、コーヒーの濃さを決めるボタンを選択します。「マイルド、ミディアム、ボールド」の3種です。そして、スタートボタンを押すと、「グウ~、ゴボゴボ、ゴボゴボ………グウ~」という真空抽出の音がしてコーヒー抽出が始まります。ケトルの小窓から、コーヒーの水位の上下の様子が見えます。もちろん水出しなので、沸騰しているわけではありません。
マイルドだと最短で5分、ミディアムでは10分、ボールドは15分かかります。色は白黒2機種で、値段は9千円強です。氷やレモンシロップ、炭酸で割るのもありです。しかしながら、コーヒーは結局、「豆」と「水」の質と味が決め手のようですが。
画像:グリーンハウス社のウエブサイトより
No.296
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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