- ホームページ
- ちょっと役立つ 日本の新製品
- 【ちょっと役立つ 日本の新製品】トイレから、明日の科学者が育つかも!
【ちょっと役立つ 日本の新製品】トイレから、明日の科学者が育つかも!
今回はクイズ形式で楽しく科学の知識が学べるという、「トイレットペーパー」を紹介します。紙を引っ張ると、「ロケットを作るために使われるものは何か?」というような問題が現れ、さらに引っ張れば、その「答えと解説」が印刷されていて、じっくり読めるようになっています。
「理科が苦手」と思い込んでいる子どもたちを、知らず知らずのうちに、科学の楽しさの世界に引き込んでしまうというトイレットペーパー「リカロール」を、東大の大学院の女性たちが開発したのだそうです。
トイレットペーパーには、天文、物理など6分野の問題が印刷され、3つの選択肢から正解を探すようになっています。例えば、先ほどの「ロケットを作るために使われるものは何か?」の正解は、「せっちゃくざい」。理由を説明した後も、「ロケットに使われる接着剤は、ふつうのものとなにがちがうのかな?」と続き、探究心をさらにかきたてるよう工夫されています。
考案した村上さんたちは、「トイレの扉は科学の扉」のキャッチフレーズのもと、理系への進路を選ばない女子学生の、科学への抵抗感や苦手意識をなくせるとよいと考えたそうです。「女子は理系には向いていない」などという男女間の得手、不得手に関する世間の思い込みに左右されない子どもを増やすには、男女を問わず、誰もが1日に何度も入るトイレに着目したわけです。
このアイデアは、「学生ビジネス・プランニング・コンテスト」で最優秀賞を獲得し、その賞金とクラウドファンディングで募った資金で、3000ロールを試作し、東京や川崎の小学校や児童館に寄贈し始めました。
写真は西亀有児童館に贈られたものの一部で、受け取った職員は、「苦手意識があっても、プチ情報があると科学を楽しめるはず。だけど、みんなトイレで長居をしてしまいそうですね!」と言ったそうです。
No.312
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
シェアする