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ちょっと役立つ 日本の新製品

触らず操作が可能「ホロタッチ」

触らず操作が可能「ホロタッチ」

 新型コロナウイルス感染の予防対策として、トイレやエレベーターなどを触らないで操作する技術が出始めています。種々のセンサーを活用しての非接触型のタッチパネルです。主な技術としては、特殊プレートにタッチパネルの映像を立体的に投影することと、操作する手の動きを感知するモーション・センサーの二つがあります。

 不特定多数が捜査するパネルやボタンに「触れずに操作できるエアータッチパネル」とか「タッチレスパネル」とか呼ばれるものです。音声での操作も考えられますが、個人差を含む言語認識や外国人対応、そして何より「飛沫感染」の観点から、今のところ敬遠されています。

 製品例としては、特殊な映像投影パネルを用いるパリティ・イノベーション社(博報堂が協賛)の「パリティミラー300」が先行しています。図書館や書店での検索パネル、病院や公共施設での受付や発券端末、飲食店のメニュー端末などへの利用を目指しています。顧客の要望に合わせて基本システムを設計変更する事(オーダーメイド式)で対応するようです。

 一方、既存の操作パネルに後付けの形で取り付けられるのが、大日本印刷と神田工業MIRAIBARの共同開発の「ホロタッチ」です。ホログラム技術を用いて操作パネルの映像を空中に浮かび上がらせるように投影し、操作する手の動きを赤外線センサーで検知するものです。空中ディスプレイ入力端末と称するのですが、内部モニターに取り込んだ動画や静止画を特殊プレート越しに反射させて、その映像を空中に浮かび上がるように表示します。その空中映像を指で触るような感覚で、操作するのです。既存の操作パネルの映像データを加工し空中に投影するホログラム装置と、赤外線センサーの信号を既存の操作パネルに戻すように接続すれば、後付けの形で動作します。応用範囲は広そうですので、ホロタッチについて紹介します。

 空中ディスプレイ装置の仕組みは、まず、画像を記録したフィルムに一定の角度からLEDなどの点光源の光を当てて、フィルムから離れた空中に画像を浮かび上がらせます。そして、空中の手の位置を赤外線センサーで、検出します。既存の情報端末や機械ボタンの表面に直接触れることなく、その機器を操作できるのです。大日本印刷はホログラムのフィルムを量産出来る技術を保有し、製品化は本年3月から始まっています。また、試作品が資生堂の製品展示(アルティミューン売り場)で商品選択に用いられています。

 ホロタッチは軽量、コンパクトな構成で既存の機器への後付けが簡単です。操作ボタンなどを描画したホログラムのフィルムとセンサーとLED点光源だけです。相談から取付までの費用も80万円位で済むそうです。ウイルス感染の防止などの観点から非接触のニーズが高まる中、銀行や店舗等のレジやATMなど、既存のタッチ式装置に後付けで、比較的容易に、空中操作が出来るようになります。

画像:MIRAIBARのウエブサイトより

No.284

となりのおじさん

在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで

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