元日以来の能登半島の地震災害のニュースには、胸が潰れるような思いがしています。地震による建物の倒壊、土砂崩れ、道路の分断、更には、津波による災害など、加えて、数え切れない数の余震や雨、雪などもあり、「踏んだり、蹴ったり」という言葉が当てはまる程の状況に、そこには「神仏」はいないのではと思われるほどの被害です。中でも、5人家族の内4人を、そして、親族も合わせて11人もの身内を、あっという間に無くした人のインタビューには、涙が出ました。
被災地への支援は国内外からのボランティアや支援金募集など、多くの人たちが、それぞれの立場で出来る限りの応援をしています。能登地方だけではなく、多くの地域での大雪も重なり、被害家屋の倒壊を早めたり、多くの場所で交通麻痺を起こしました。お年寄りが覚束ない動作で雪かきをしているニュースにも、ハラハラさせられます。遠隔地からは大した支援は出来ませんが、今回、ちょっと役立ちそうな物を見つけましたので、それを紹介させてもらいます。
それは、力のない人でも楽に使えそうな雪かき用スコップです。今回の被災地だけでなく、北陸や北日本の多くの地域で大雪が降りました。雪が降れば毎日雪かきをしなければなりませんが、重い雪を持ち上げるのは腰や膝、腕の力が必要で、とても辛い作業です。辛い雪かきを、補助ハンドルの強力なバネの力によって、楽にしてくれるのが、「ヤードフォースジャパンのらくらく雪かきスノースコップ」なのです。屈まずに立ったままの姿勢で雪をすくって、“てこの原理”でそのまま軽々ボーンと投げられるのです。
これは、実は日本製ではなく、もともと欧米で考えられ、北米での豪雪地帯ではよく知られた製品なのですが、今回に限って、能登地震災害支援ということで、広く知ってもらいたいと思い、(記事テーマには違反しますが)あえて、取り上げてみました。
従来のスコップでは、すくった雪の重さが全て、屈んだ腰や膝を伸ばす際の負担となっていましたが、てこの原理を利用したバネハンドルつきのスコップでの雪かきでは、柄の根本から伸びた補助ハンドルが、バネの跳ね返る力と、てこの原理によって、重さを分散します。立ったままの状態で作業ができるので、体の負担が少なく、効率よく除雪できます。足腰や腕の負担を減らすので、体力に自信のない女性や年配の方、腰痛持ちの方でも楽に除雪作業が行えるというのです。
実験では、従来型に比べて、腰周辺の腹斜筋肉、脊柱起立筋肉、大腿二頭筋などの活動量が75%も減ることが分かったそうです。
補助ハンドルの柄の部分は炭素鋼、雪をすくうスコップ面の部分は軽量、かつ、しなやかな強度を持つ特殊樹脂、先端は軽くて丈夫なアルミ刃となっており、表面が固くなった雪もガシガシと掻き上げることが出来ます。重い雪でも両手でささえられるので、段違いに楽なのだそうです。
価格は6000円前後で、オンラインショップで入手可能です。
No.356
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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