貼る取っ手
コロナ影響下で、産業界、サービス業界など大きな後退を強いられている分野が多い中で、意外と売り上げを伸ばしている商品がいくつかあります。その一つが、「貼る取っ手」という製品です。これは、スーパーや量販店での箱物などの「持ちづらい商品」に簡単に取り付けることができる「取っ手」なのです。
タックハンドルとも呼ばれますが、もともと大手のビールメーカーが12本入りの缶ビールパックを売り出した時に、持ち手がなく抱えて運んでいたものを、簡単に箱に貼り付け、持ち上げる取っ手があれば便利だと考え出したものが始まりなのです。レジ袋有料化の動きもあり、箱に持ち手がついていれば、ついつい手が伸びて、販売促進にも寄与しているようです
製造元の松浦産業(香川)では、タックハンドルの生産のために、紙袋用の持ち手製造の技術を改良し、「ホットメルト」という強力な粘着材を開発して、耐久性の高い紙製の「取っ手」を作ったのです。荷重に応じて、何種類かのタックハンドルが揃っています。大体、一つあたり20円くらいで、25枚入りなどがあります。
今では、飲料水メーカー、ビールメーカー、食品メーカー、カーアクセサリー、雑貨や家具店、家電量販店、ドラッグストア、パチンコ店などの商品ケースなどに取り付けて利用されているそうです。
No.280
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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