バーチャル旅行
2020年も半分が終わりを迎えた6月末。とうとうここニューヨークもフェーズ2といわれる経済再開、第2弾が解禁となった。3月からはじまったロックダウンから111日目を迎えた頃、ついに、クオモニューヨーク州知事が第一波の収束宣言をだした。ここまで来るのに、ながいながい道のりだった。
いままで、数ヶ月に1度は日本に帰国したり他の州へと旅に出ていたライフスタイルが一気にステイホーム、自宅引きこもりとなり111日。そんな生活のなかで、最大の楽しみは、アパートのバルコニーへ出て、空を眺めること。限られた小さな場所から眺めるいつもの同じ景色が、本当は大きな世界の無限の変化に富む景色だったと気づかされた。
時は、いまこの瞬間も刻々と変化をしていて同じ場所から同じ景色をながめていても、まったく同じ景色は二度とみれない。いままで分かったつもりでいたけれど、これほどまでに腑に落ちたことはいままでなかった。
空を眺めることの他に、いつもやっていたこと。それは、脳内バーチャル旅行。じぶんの脳のなかで想像力をひろげて世界のあちこちへと出かけていくひとりエア旅行。たとえ外に出れなくても、自分のイマジネーションをつかえば、世界のどこへだって飛んでいける。自宅待機中は、そんなふうによく想像力を駆使していろいろな遊びを楽しんだ。
いくら、過酷な状況のなかでも自分の想像力、創造力は自由そのもの。だれにも邪魔されることもないし、じぶんで無制限にとことん繰り広げていける世界。
突然のロックダウンから111日間。いま、振り返ってみると未だかつてない「自分との絆を深める」期間だったと実感している。そして、世界中のだれもが、「人生ではじめての経験」を味わってきたことだろう。世の中に、偶然はない。すべてが必然。そんなことばを今まで何度も耳にしてきた。いままで、分かったようで分かっていなかったことが、いまではより深い部分で以前よりも理解できるようになっているなあ。これも、コロナがあったからこそ気づけたこと。
ただ、いまこの瞬間に存在しているもの。ただ、いまこの瞬間に「ある」ということ。とらわれることなく、前へと進んでいけばいい。
次にバーチャルではなくリアルな旅行へ行く場所はまだ決めていない。毎日毎日、空を眺めていると、宇宙へいってみたいという気持ちもわいてきた。そう、可能性はだれにだって無限に広がっている。それを制限しているのは、いつもだれでもない、自分自身。新しい価値観のなか、新しい自分と出会っていく、いま、この瞬間。これから解禁になったら、今まで以上に、世界中を宇宙を、旅してまわりたいと思う。
私の旅ストーリー No.200
大森 千寿
NY在住。香川県高松市生まれ。アーティスト・作家・アートセラピスト・米国NLP協会認定マスタープラクティショナー・現代レイキマスター。NY・ハワイ・日本の3箇所にアートスタジオを構え活動。著書に、amazon電子書籍「ハワイに不動産を購入して人生10倍楽しむ方法」「ハワイで聞いた! 32通りの生き方(第一弾)」「人生の冒険」がある。NYで新しい扉を開く2日間プログラムやニューヨーカーと行く穴場ツアー、アート最前線ガイドなど開催中。 www.chizuomori.com ameblo.jp/adamwestonart