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デジタル版・新聞

My Destination

【My Destination】第3章 「再挑戦」初日の第一印象 Part1

(前回まで)「世界をまたにかけて働く」ことを幼少からの夢としていた私は、意と反して損害保険会社に入社。順風満帆な生活も束の間、会社が経営破たん。その後の人生を切り開くため渡米しMBAを取得。メガバンク勤務を経て、新たなキャリア形成のため、渋谷にあるベンチャー企業の門を叩く。それから7年後、「幼少からの夢」を追いかけることを決意。20136月、遂に理想とするグローバル企業で働くこととなった。

 20136月初日。目覚めと共に自宅のベランダで朝日を浴びた私は、遂にグローバル企業で働く日が訪れたことの喜びをかみしめていた。期待もあれば不安もある。特に私はつい先日まで7年強ベンチャー企業で過ごし、すっかり自由な社風に慣れ切っている。今度の会社は、グローバル企業である前に東証一部上場企業でもあって、少なくともきちんとした会社であることには間違いない。

 新しい職場に顔を出すのは、これが人生で4度目である。そして、初日に受ける第一印象が、プラスでもマイナスでも、それがその後の会社人生に大きく影響することを過去の経験から理解していた。例えば1社目の第一火災海上での最初の赴任地であった盛岡支社に着任した際に感じたのは高齢者の多い職場であった。そして予感が的中した訳ではないが、同社は営業部隊の若返りに失敗、高齢化した営業部隊の衰退に連動するように売上がみるみる目減りし、バブル崩壊という主要因に後押しされるかたちで経営破たんに向かっていった。

 2社目のメガバンクで感じたことは、ピリピリした職場である。当然ながらプロである以上、一定の緊張感は必要だが、行き過ぎは様々な負の波紋を広げてしまう。同行は後日に他のメガバンクと合併、それを契機に私は銀行を退職することになる。私の退職理由はキャリアチェンジで間違いないが、このピリピリし過ぎた職場環境が退職意向醸成に一役買ったのもまた事実であった。

 前職のベンチャー企業では、多くのプラスの印象を持った一方で、社会人としての基礎が出来ていない社員が多いというマイナスの印象も受けた。多くの社員がアルバイト出身で、それを指導すべき管理職も急成長中の日々のオペレーションに忙殺され、そういう点は疎かになっていたのかもしれない。でも、会社は株式上場という一段上のステージを目指していることから、急激に文明化を推進した。大企業出身者の私には、その旗振り役も期待されていたのだが、直面する課題の根っこにあるのが、当事者の基礎力の欠落であって、言いづらいことだったが、課題解決のためにそこまで踏み込んで意見をぶつけ合うことも多く、それが多くの軋轢を生んできてしまった。いずれにしても、私にとっても大変骨の折れるやり取りであって、それが多くの生産性を下げてきた。

 新しい職場は東京都庁の隣であり、自宅からは30分とかからない。あれこれ思いを巡らせている間に、あっという間に会社に到着した。そこでやはり、ある第一印象を感じ取ったのだが、その話は次回に。

(次回につづく)

No. 247   第3章 「再挑戦」

Masa Kokubo

1995年中央大学法学部卒。損害保険会社勤務後、アイオワ州の大学院にてMBAを取得。その後、メガバンク、IT企業を経て、現在はグローバル企業にて世界を相手に奮戦中。趣味はサーフィンとラクロス。米国生活は通算7年。

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