みなさん、こんにちは。先日、自分達だけのオリジナルの香りを作って、結婚式の参列者へのギフトにしたいというお客様からのご依頼がありました。お住まいはカリフォルニア、結婚式はハワイで、ということでしたので実際にお会いして香り作りをしました。コンサルテーションの当日、お二人のお泊まりになっているホテルに向かいました。とても礼儀の正しい若いカップルという印象を受けました。花嫁さんは香りが大好きで、香水や精油のことも知識がある方でした。

　セッション中に「ヒノキ」を手にし、「I love Hinoki」と言って、花婿さんに「確か私たちの使っているハンドソープってヒノキと何かのブレンドじゃなかったかしら？」と話していました。Hinokiの名でも世界中で有名になっている「檜」は、原産国は日本で、英名はJapanese cypress（ジャパニーズサイプレス）と言います。Hinokiが好きとおっしゃるこのカップルに、「私は日本出身なので、Hinokiはとても身近な香りなんです」と言うと、「日本には、たくさんHinokiがあるのですか？」と聞かれました。「日本では家を建てるときやお風呂場に、昔からよく使われていた木材なんですよ」と言うと、びっくりしていました。

　彼らにとっては、好きな香りとして後からインプットされた香りですが、日本出身の者からすると、多くの人にとって（全ての方がということではないですが）懐かしく落ち着く香りであり、思い出の香りでもあると思います。

　檜には、ヒノキチオールと言う成分が含まれています。名前から察するに、檜の精油の主成分であるのだろうと思われがちですが、実はそうではありません。日本産の檜にはヒノキチオールはほとんど含まれていないのです。最初にヒノキチオールが発見されたのは台湾ヒノキからでした。日本産の精油では、青森ヒバ（アスナロ）に最も多く含まれているそうです。

　では、実際に檜の成分にはどのような効能があるのでしょうか。まず、防虫や殺菌効果がとても高いことはよく知られています。寺社などの建物に多く使われていたのは、その効果からかもしれません。また、消臭効果に優れているという研究結果もあります。アンモニア臭を消すという実験が行われ、ヒノキ、ヒバ、トドマツの精油で比べてみたところ、ヒノキは97％の消臭率という結果が出たそうです。さらに、ヒノキには高いリラックス効果があります。それによって元々ヒノキの香りに馴染みのある日本人は、気分が落ち着くのでしょうね。スッキリしすぎる香りで、ヒノキだけだと苦手という方もいるかもしれません。他の香りとブレンドすれば、日常生活に大いに活用できる和精油です。